人妻との体験
1:堕ちるときは人妻の道連れが必要
投稿者:
桜井
よく読まれている体験談
2024/07/18 17:17:06(kNp.53Z7)
話を続ける気がないなら、スレたてるな
24/07/18 18:27
(BFwkBK5E)
男は自分を高橋だと名乗った。
高橋は相変わらずヘラヘラとした語り口調だったが、綺麗に刈り込まれた坊主頭の眼光は時折鋭く、俺は正直、初めから奴に飲み込まれていたかもしれない。
高橋と名乗る男は、いや突然に横に入ってきてこんな調子で話されりゃ誰だって怪訝に思うのは当たり前ですよ。
でもね。お兄さん、私も誰でも声を掛けてるワケじゃないんです。私もこの商売を始めて長いんですよ。何でもそうですけど、大概の才能やセンスが無い人間は普通に人生やってりゃ良いんですよ。
でもね。才能やセンスがある奴にも2種類居てね。
才能が有れば良いって話じゃなくてね。トップに立たなきゃ才能が活かせない奴とトップに立つと才能が活かせないで潰れる奴が居るんですよ。
勿論いずれにせよ、トップに才能がなきゃ駄目なんですがね。兄さんの場合は上に才能がある奴の下なら自分でも気が付いてない才能が発揮出来る奴なんですよ。
兄さんが今、こんな酒場で燻ってるのは、兄さんに才能が無いからじゃない。兄さんの才能を活かす才能を持った奴に今まで出会ってないからなんです。
高橋は俺の目を見ながらゆっくりと語った。
俺は高橋の話に引き込まれていたが、我に返り被りを振って酒を煽いだ。で、俺の才能を活かしてくれるのがお前さんって話かよ?俺は笑いながら高橋に言う。
ええ。烏滸がましいですがね。初めて会った人にこんな事を言うのは。でも間違いなく、そうなんです。お兄さん、失礼な事言うようですが今の人生、この生活に納得されてますか?
俺だって好き好んでこんな負け犬人生をしてる訳では無い。今の時代、地方のシャッター通り商店街の呉服屋など生き残れるワケが無い。それこそ家業を継いだその日からどうやって畳むかが頭の片隅にあった。
負け試合に駆り出された敗戦投手の様な人生だった。それなりに抗って展示会やら即売会、ネット販売だと俺なりに必死にやった。確かに、呉服屋でも上手い事をやっている人間も居るかもしれない。
しかし地方都市でいくら抗っても先細っていくばかりだった。
もし家業を継がなければと考えない日は無かった。俺にサラリーマンが務まったのだろうか?地元で一緒に馬鹿やっていたお世辞にも勉強が出来たとは言えない親友が時流に乗って東京でコンピュータの関係の営業を始めたと大昔に聞き、俺も実は何売ってんだかよく分からねぇんだよ。なんて言ってた男が今は社員を50人も抱えたソフト開発会社の経営者だ。
地元に高級外車の馬鹿でかいSUVに乗って戻ってきてはお前みたいな地道な仕事をしてる奴の方が偉い。俺なんてインチキなピンハネ稼業だよなんて言って褒めてくれたが、俺はとても素直に喜べなかった。
俺は自嘲気味に高橋に尋ねた。あんたが見たところ俺には何の才能が有るって言うんだい?
高橋はその時、俺に向き直り、俺の目を見据えてゆっくりと言った。
人を騙す才能だよ。
24/07/18 19:19
(yaO2A0UY)
人を騙す才能?俺は思わずオウム返しに高橋に声を上げた。何だそれは?アンタに俺がどう見えてるのか知らねぇが、俺は人を騙すコトなんかしてねぇぞ。
高橋は声を荒げた俺に落ち着き払って言った。
ええ。今まではね。今まではお兄さんいや貴方は自分を騙してきた。その歳までご自分を騙してくるのは大変だったでしょう。
自分を騙せる人間は、他人を騙すのも上手いんですよ。
高橋さん、あんた何なんだ?喧嘩でも売ってるのか?俺は流石に腹を立てた。
高橋はそれでも尚、続けた。
立腹するのも尤もです。失礼を承知で言ってるんです。だけどね。人を騙すって言い方が悪ければ、人をその気にさせるとでも言いましょうかね。
貴方が一番分かってらっしゃると思いますがね。世の中、要は金なんです。金ってのは有る人が持っているわけで、持って無いやつは持ってないんですよ。当たり前ですけどね。
だから金ってのはある奴からしか取れないんですよ。ない奴から幾ら取ろうとしても取れないんですよ。貴方は今まで金を持って無い人間しか相手にして来なかったから才能が活かせなかったんですよ。
つまり未だ試合会場にすら行った事が無い選手の様なもんです。更に言えば貴方は何の競技に出たら良いのかも分かっていなかったんです。
そこまで言うと高橋は空になった俺のグラスに目をやり、おばさんもう一つお代わり下さいと先程の店の初老女性に札を握らせる。
受け取ったカップ酒を開けると高橋は俺にそれを寄越して、考えて見てくださいよ。
貴方より才能が無い人間が上手くやって貴方より全然良い暮らしをしている。
俺の頭に東京で外車を乗り回し、家族と暮らす親友の顔が浮かんだ。俺はその幻影を振り払うように被りを振って高橋が寄越した酒を煽る。
俺は口の端から溢れた酒を拭って高橋に尋ねた。
で、俺は何の競技に出りゃ良いんだ?
高橋はニヤリと笑って応えた。
わたしが始めた新しい競技ですよ。
24/07/18 19:55
(YYDkTKvA)
新しい競技?何だそれは?俺が尋ねると高橋は笑い出し、楽しくて仕方ないと云った口調で返してきた。
まぁここで全部話せる内容じゃないんですけどね。貴方がその気にさえなれば、その競技のチャンピオンになれる事は保証しますよ。
それにね。貴方にとっては復讐劇でもあるんです。復讐っていうのは、どんな人間にも蜜の味がするんですよ。
俺が?誰に何の復讐をするって言うんだ?
俺は横で酒を啜る高橋に尋ねた。
ははは。貴方はどうも人が良いふりが上手だ。
世の中、復讐したい相手が居ない人間は居ないんですよ。どんな聖人君子でも何かしら生きてりゃ抱え込むんですよ。
抱え込んでいるモノが無い人間ってのは余程の馬鹿か復讐を既に達成した人間ですよ。
貴方だって何か抱えてるでしょう?
俺は高橋に答える代わりに目の前の酒を煽る。
復讐を考えるほどの恨みは抱えちゃいないけどね。俺は絞り出すように高橋に言った。
高橋は俺に微笑んで言った。私と組んだ人間は皆、最初にそう言うんですよ。
そういう人間は復讐する手段を持ってないから考えないようにしているだけなんですよ。
貴方が復讐の手段を手にしたら、自分の本当の姿に気が付きますよ。貴方みたいな人間の復讐劇は大衆受けするんです。貴方は支持されて孤独じゃ無くなりますよ。
今、決めてくれという話じゃ無いんです。
少し考えてみてください。これが私の連絡先です。
と言って高橋は俺に名刺を差し出した。
高橋企画と書いてある。俺はそれを受け取った。
高橋はニコリと笑って言った。
私の話に乗る理由は貴方にはゴマンと有るんですよ。貴方の復讐はもう始まりましたよ。
明日、夕方電話ください。私はここで失礼します。
そう言うと高橋は札を店の初老女性に握らせ、こちらの先輩にお酒出してくださいと言うと俺に頭を下げて通りに消えていった。
なんだよ。随分と羽振りの良い知り合いじゃねーかよ。この店でタキちゃんと呼ばれている常連のすえた匂いがする男が酒臭い息を吐きながら俺の隣に近づいて言ってきた。
店のおばさんが俺にあの人、一万円札渡してきたよ。これお釣り。と渡してくる。
俺は隣の物欲しそうな赤ら顔の男に、釣り銭分呑まして釣りがあったらやってくれと言った。
隣のホームレスの様な男が汚い歯を見せて喜んでいる。エヘヘ旦那、悪いねと言いながら俺に何やら話しかけて来たが、俺は男が去って行った暗闇を見つめてひとり考え込んでいた。
24/07/18 20:54
(Ce44vBlx)
仲々のもんじゃのう。ツカミも消えて、あんまり引っ張ると皆逃げちゃうけど。
24/07/19 01:09
(dshrxBXU)
文章面白い、ここで書く様な人じゃない🤣
24/07/19 13:57
(tv7sAORl)
浅田次郎を読んでるようです!
24/07/20 08:42
(Ns/DVizq)
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