弱い雨の降る午後に、二人で会った。はるか昔に谷だったという街の真ん中にある古いホテルに入った。軽い食事をしながら世間話をした後、見てほしいということを伝えた。それでここに来た。
昔から騒がしさやどぎつい表現がきらいだった。大きな音で繰り返す宣伝や、派手な色で目を引く宣伝が苦手だ。落ち着いた、品のある様子がいいと思う。だから、本当はこんなに安直なホテル街の一室ではなく、ちゃんとしたホテルの高層階にしたかった。
彼女はソファに座り、自分は無言でソファに腰掛ける。少し緊張しながらゆっくりベルトを緩めて、デニムからペニスを取り出す。ちょっとだけ固くなったそれに目が釘付けになり、まばたきもしない。その視線に胸が高鳴り、どんどん固さが増していく。
手を動かし始めると、相手は目を見開いて見つめる。口がほんの少しだけ開いてきて、かすかに紅潮する頬。興奮をごまかすように聞いてきた。
「いつもナンネットで会ってこうやっているの?」
自分はそれに答えず、少しだけ鼻息が強くなった。一瞬の間が空いて、相手は股から目を離して、答えてほしいという様子で自分の目を見つめた。
そこからは展開が早かった。目線の力は強い。一気に興奮して手の動きは速くなり、先端はどんどん濡れて小さな音が出る。下腹部の奥に存在感を感じた一瞬の後、すぐに圧力が高まって外界とつながりそうになる。
小さくうめいた後に、出た。10回ちょうど、強く脈動して終わった。相手と自分の間の床が汚れた。
結局、指一本触れずに解散したけど、お互いにつながった感覚がある。鋭い興奮が、眼球を通して頭の奥に突き刺さった。めちゃくちゃに貫いて、クライマックスを迎えた。
こんな関係がいいと思う。