「ドールさんにまかせますぅ」
耳にあてた携帯から、妻のうわずった、でも、はっきりと
した声が聞こえてきた。
すべてがシナリオ通りで、それにのせられた
ヒロインの妻は、この脚本を見せたわけではないのに
忠実にこのドラマを演じている。
他人が、自分の妻と交わしているキスの
かすかな、唇の擦れ合う唾液音と
気持ちのよさなのか、ハッーと漏れる、吐息、、、
自分と妻との間に、こんなにも
燃え盛る炎の火照りは、
自分の脳天が、だんだんと酸欠に陥っていく。
頭の酔いと、目の前に想像する、妻のパツンとした
はちきれるボールの様な官能的な胸を
相手の男が嘗め回す様を、携帯の息遣いから想像して
いると、
ショックと眩暈で、
ただただ、反比例して勃起する股間を抑えるのに
必死だった。