右の掌で、怜の頬を感じ取り
そのまま人差し指を、彼女の唇にそっと
添えると、濡れた唇が、私の指を濡らした。
何かを待っていた眼差しは、
キリッとした鋭さを相手に与える分、
その鋭さとエロい美貌の2倍の報酬が、これから
自分に与えられるかもしれない期待に
ドキドキがはじまった。
ノーマルなら、ここで、キスを求めてくるが、
恐らくそれは無いだろう。こちらが求めれば、
別に、自然と熱い口付けになるのだろうが、
2人の始まりには相応しくわない。
そう、口許にホクロの意味が二人の暗黙の
了解を理解していれば、逆に、自然な流れなのだ。
怜の口許左端のホクロを、親指でさすりながら、
「このホクロの意味、わかる?」
交差する視線が重なり合い、潤んでくる怜の瞳が
すでに、答えになっている。
「裾をあげてごらん。」
お互い半身を寄せ合ってる今、そう言うと、
怜は、両手で、ワンピ-スの裾をゆっくり、
たくし上げた。