業務に行き詰まると必ずと言っていいほど煙草を吸う。煙草を吸ったからと言って解決するかは疑問なんだが。
元々はフリーランスの営業を生業としていたが、安定収入を求め就活。自営に生かせる業務、自営の時間を確保できる会社を受けた。
内定をいただいた会社は事務系の会社で、女性が多いイメージ。妄想癖が強い私は邪な気持ちを抱き、初日を迎える。
毎朝朝礼があり、初日ということで自己紹介。イメージ通り男女比は2:8だった。しかし、年配者が多く私が抱いた妄想は泡のように消えた。
そんなことあるわけないかと現実に戻り、初日の業務を定時までこなした。
明くる日、なんの期待もなく出社。昨日同様、朝礼に向かう。その時、昨日はいなかった同年代の女性がいるではないか。
コロナ禍ということもあり、マスク姿ではあるがきれいに化粧された顔、ぱっちりとした目、アップされた長い茶髪。香水なのかシャンプーなのかどこか心地よいフレグランス。
2日目ということで名前はわからず、部署が違うため、話しかけることもできなかった。※妄想の中では強気だが、実際はビビりな私。
朝礼が終わり、自席に戻る。ふと思い出した。昨日、オリエンテーションで内線番号が書いてある座席表があるではないか。トイレに行くフリをし、朝の女性の席を確認する。座席表から彼女の名前(a)を知る。
給湯室でaさんと他の女性スタッフが何やら話をしていた。
他:昨日大丈夫だったー?
a:大丈夫でした!保育園から急に電話きてビックリしましたけど。なんか喧嘩しちゃったみたいで。。
他:あらら。でも、元気でいいじゃない!怪我はなかったの?
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こんな会話だった。
あー。人妻さんかー。ちょっとショックだったが、妄想には関係ない。
この日も業務をこなし定時に。
退社しようとするとaさんが駆け寄ってきた。
a:私さーん!
私:ん、はい?
a:私さーん!お疲れ様でした!aです!昨日、有給で挨拶できませんでした。これからよろしくお願いします!
私:あ、こちらこそよろしくお願いします。私から挨拶に行かずすみません。
a:気にせずー♪挨拶しづらいよね!年も近いらしいから仲良くしてねー!じゃ。
私:あー、はい。
はじめての会話はこんな感じ。
aさんの元気さに圧倒され、何も話せなかった。ただ、駆け寄ってくるときに上下に揺れた大きな胸は見逃さなかった。
それだけで、妄想の中で充分に楽しめた。
入社してから1週間が経った。この間、出社から退社までは煙草を吸わないようにしていたが、我慢の限界だった。
事務所は禁煙。吸えるところを探すが大通りに面しているため、人目が気になる。仕方なく戻る途中、事務所の裏に灰皿があるではないか。だが、禁煙と聞いていたので我慢。
上司に確認したら、その辺で吸ってるよ。と言われ、新入社員の私がその辺で吸えるわけがないと敷地内を徘徊。
そうすると、立ちながらなら吸えるだろうスペースを発見。無事にニコチンチャージ完了。
このスペースからはじまるaさんとの関係は妄想を大きく上回ることになる。
文才が乏しいですし、更新がおそいかもしれませんが、需要があれば続きを書かせていただきます。