埼玉の植民地の街から、母親の遺品整理で地元へと帰るため電車に乗った
久々に乗った地元へ向かう電車の車内は、平日昼間ということもあって空いていて、空席も目立つという感じで座席の端っこへと座った
スマホをいじっていると、ガラガラのまま発車していく、そんな中ふと前の座席に座っている女性の視線を感じた
年の頃は自分と同じ四十代半ばくらい?あれ?なんか高校の同級生だったWと似てる?
Wは高校2年からのつきあいで、彼女が30で結婚するまで男女の関係はなくただの友達として、しかし周りからは夫婦と称されるくらいいつも一緒にいた
しかし、彼女が30で結婚してから15年、ただの1度も会っていなかった
そして、少しふっくら(名誉のために言うと、昔の彼女はモデル体型だったので、女性らしく丸くなったという感じ)したし、15年前とはメイクも違うので確信が持てなかった
だが彼女は違ったようで、自分が顔をあげて目が合うとパッと隣の席へ移ってきて、15年のブランクを感じさせない距離感で「ちょっと!どうしたの!?」と声をかけてきた
とりあえず「ど、どなたですか?」と返してみると「何理由のわかんないこと言ってんのよ」平日昼間にどうした?仕事は?今どこに住んでるんだ?と15年という時間を埋めるかのように喋りかけてくる
この間、人違いかどうかの確認もないし自ら名乗りもしない、最後に合ったのはつい昨日みたいな態度で接してくる、やっぱりこいつとは楽だなぁと思っていると、我が地元の駅はまもなく、彼女は一つ先の駅
夜は時間あるのか?と尋ねられ、片付けが終わったら暇だと伝えると、終わったら連絡しろとLINEを交換して一旦別れた