50代の私が新しく職場に入ってきた52歳の由美子と話しをするようになるまで時間はそれほど要さなかった。
今思うと由美子にはどこか自分と同じ臭いがすると勝手に親しみを感じていたのかも知れない。
仕事が終わったあと、若い社員たちは車で各々帰宅するのに対し、私と由美子は自転車通勤だった。
自転車を押しながら二人で話をしながら帰ったりもするようになった。
由美子は決しておしゃれな女性とは言えないかも知れないがカラダに密着したスキニーパンツからはむっちりとした大きなお尻が強調されとても良く似合う女性だった。
そんな由美子と一緒に途中まで帰宅するのが常態化したある日、由美子が今度の金曜日に私を自宅の夕飯に招待したいと言ってきた。
私は旦那さんに会うのは少し抵抗があったが断ることはしなかった。
そして迎えた金曜日、由美子はなぜかいつもよりメイクを念入りに施し、この日初めてスカートを履いて出社してきた。
まるで別人のようにセクシーだった由美子を若い社員がみると、
「あれー?由美子さん今日デートっすか?不倫とかしちゃってたりしてw」と冷やかしてきた。
私は今までの由美子とは違う由美子をみて少し戸惑ったが、この時、初めて由美子が女性であることを強く実感した。
その日も問題なく仕事を終え私服に着替え自転車置き場に向かうと由美子の姿があった。
電話で誰かとスマホで話している様子だった。
私の存在に気づくと由美子は慌てて通話をきり、私と一緒に歩きだした。
「あれ?今日は自転車ではないのですか?」
すると由美子は「ええ、そうなんです」と頷き道路にでた。
すると道路に停車されていた車の中から一人の男性が姿を現した…
「おお、あなたが上場企業の会社をリストラされた人ね」
「大変でしたねえ、妻からいろいろ話を聞いてますよ」
このときやはり招待を断ればよかったと思いましたがあとの祭り。
まさかあのような展開が待ち受けているとは思いもしませんでした…