近所に小原さんというご家庭があるんですが、そこの奥様が美人なんです。
四十代後半なんですが、パッと見た目は三十代の奥様に見える若々しさがあります。
私の会社の取扱い商品の一部に、業務用ボディソープやシャンプーといった物があります。
私は配送部門ですので、業務用ボディソープシャンプーなどを、ホテルとかに配送します。
当然、ビジネスホテルもあれば、結婚式場とかを備えたデカいホテルも、そしてラブホテルもそれに入ります。
ラブホテル、お客様のプライバシー保護のため、搬入は従業員通用口から行います。
でもあるコテージ型ラブホテルは、敷地に入る入口は一つ、壁沿いに走り管理棟に配送するってとこがあるんです。
小さいコテージがいくつも立ち並ぶのを横目に、管理棟まで車で行きます。
去年の秋でした。
そのコテージ型ラブホテルに配送に行きました。
車に乗り伝票をバインダーに挟んでいると、あるカップルがコテージから出てきました。
私はお客様と鉢合わせを避けるため、車を出さないで待ったんです。
コテージ横の車置き場に向かった女性を見て、唖然としました。
小原さんだったんです。
男性は若い人でした。
足早に車に乗った二人は、出て行きました。
ほんの数十秒の出来事でした。
「あの小原さんなら、若い彼氏の一人くらいいても不思議じゃないな」
そう思いました。
それをネタにゆすろうとかは全く考えてませんでした。
それからしばらくして、また同じホテルに配送で行きました。
今度は午前中だったので、商品を下ろそうと車を出ようとしたとき、一台の車が入ってきました。
助手席にいた女性、また小原さんでした。
前回見た車とは違うし、男性も若い人ではなく、中年男性でした。
そして前回と同じように、比較的管理棟に近い部屋に入ろうとしました。
私は車から降りず、運転席から見てました。
周囲を気にする様子もなく、小原さんと男性は入っていきました。
「前とは別な人だ。もてるんだな~。さすが小原さんだ」
感心してました。
それから数日後、休みだった私は近所のコンビニに行きました。
そこで小原さんと出くわしました。
おはようございます、そう挨拶を交わし、小原さんは買い物終えて出て、私は買い物しに入りました。
買い物終えて出た私を、小原さんはコンビニから少し離れたとこで、私を待っていたんです。
私は横を通り過ぎようてしたとき、ちょっと待ってと声かけられました。