あらすじの、あらすじ。この記事は、「そもそもダイエット合宿にたどり着くまでの道のり」の話。前回の記事では、自分なりに話を大幅に省略し、要点だけを伝えたつもりなんだが、よく考えれば「仕事中にいったの?」「好きな女って誰?」という疑問が出てくるのも無理がないと思った。なので、続編が気になる人は、一気に読み飛ばしてもらってもいいと思う。ちゃんと前回の続編は今日中にまとめるつもりだから。だが、自分の中で、ここだけは説明しておかないと、この先の話の肉付きが悪くなるのではないか、と思う箇所を書いていこうと思う。俺は、26歳の時、今から10年前の話だ。その時パチンコ屋の店員をやってたんだ。なぜやってたか、それは学のない俺でも、それなりの給料をもらえるから。という理由。それ以外はない。だけど、心のどこかで何時までもパチンコ屋なんてやってられないという焦りのようなものがあったのも確かだった。同じ職場の中に、吉浦美咲(25)という女の子がいた。その子は俺と、ほぼ同時期の入社であり、会社の中でも唯一、心許せて話せる女友達だった。その吉浦は、10代、20代の時はギャルやってました。っていう感じの女の子。今でこそ、髪の毛も黒染めし、派手な服装こそはしていないが、メイクの中と、持ってる私物の中に、昔ギャルやってたんだな。っていう雰囲気が漂う、そんな子だった。基本、パチンコ屋なんて容姿を見て採用か不採用を選んでいるので吉浦ももちろん、可愛い部類の女の子であるのは間違いない。俺はその吉浦に、実は密かな恋心を抱いていた。だが、告白する勇気はなかったんだ。それは自分がデブだから。あと、吉浦には常に彼氏という存在がいる子だった。吉浦は口でこそ、「軍曹は痩せたらかっこいいよ」なんて言ってはくれるが、それは社交辞令のようなものだと思ってた。なんせ、吉浦の彼氏っていうのの写真を見た事があるが、まるで売れっ子のホストみたいな奴だった。デブでチビの俺なんて、きっと相手にもしてくれないだろう。そんな気持ちがあったんだ。そんな俺も、とうとう転職する機会が訪れた。それは俺の親戚のニイチャンが、新しく会社を企業したという事もあり、とりあえず最初は安い給料かもしれないが、手伝ってくれる人を探していると親から紹介されたんだ。給料こそは高くはないが、同じ身内同士という事で、車通勤とか、社用車の貸し出し、経費で昼メシ食っていいとか、そんな身内ならではのひいきがあったのだ。俺はその仕事にこの先の人生をかけ、2年働ていたパチンコ屋に決別する決意をしたんだ。そして、ささやかながら俺の送別会を開いてくれて、吉浦もその場に参加してたのだった。俺と吉浦は、もともと同期だという事もあり俺の隣の席に座って、色々と話をした。その時になって俺は、吉浦の口から「彼氏と別れてねwww」と聞くことになる。そして俺は酒の勢いもあってか、「だったら俺と付き合えwww」(冗談・・・だけど、okっていってくれたらうれしいな、みたいな)と言ってみたところ、正直に「ごめんw デブ様は無理w」と一蹴されたのである。さらに「痩せたら考えてあげるw」とも。普段から、吉浦とは下ネタから何から話せる間柄だったし、俺の事をデブ様(当時、韓国ドラマの影響で、なんでもかんでも〇〇様というのをつけるのが流行っていた)と呼べるのも吉浦だけだった。だからこそ、もし、、、俺が本気で痩せて生まれ変われば、吉浦は俺に振り向いてくれるかもしれない・・・。なんていう、淡い男の決意を持ったのが、、、ダイエットのきっかけなんだwそれから俺は、世間がダイエットブームだったので、世間の流行りの情報ということで、「ダイエット合宿」というものが存在しているというのは知っていた。とくにデブだからか、そういう情報には敏感であったかもしれないが。そして「ダイエット 合宿 〇〇(地域名)」で検索してみると、この時代、わんさかとダイエット合宿の団体のHPがヒットするのであった。当時、何があったかな、、元格闘技家か伝授するキックボクシングダイエット、、、ヨガでの伝道師の秘儀を伝える、スピリチュアル・ヨガダイエット 伝統武術の神髄を体感せよ!カリ・エスクリマダイエット 断食を通じて心も体も軽くなりませんか?〇〇宗〇〇寺が開催する仏教ダイエットそんなダイエット合宿が溢れていた時代だった。
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20日間ダイエット20日間ダイエットの場所は、某県某群某町にある、山に囲まれた盆地の中であった。〇〇町青少年スポーツセンターと書かれた公民館サイズの建物の敷地の中には、野球のグラウンドがあったりテニスコートがあったり、建物の1階は体育館、2階は卓球、ビリヤード台などが置いてあり3階が宿泊施設となっていた(少年野球が夏合宿とかで利用しそうな感じ)俺はその合宿会場まで朝の始発電車を乗って目的地まで向かい、到着した頃には朝の9時になっていた。電車で田舎に3時間、この場所がどれだけ田舎であるのかを文字だけで伝えるのは難しいが、とにかく田舎で開催されたと思ってくれたら構わない。そのスポーツセンターがあるバス停くらいまで来ると、(たぶん、このヒト参加者かな?)と思うような、田舎には似合わない都会人がちらほらと散見された。みんな地図やスマホを見ながら、徒歩で同じ方向に向かっていくので、きっと参加者であるのは間違いなかった。そして俺がスポーツセンターに到着し、ダイエット合宿の受付をすませると、俺たちは「開校式」という名の、この合宿最初の行事に参加する事になったんだ。男は8人(プラス1人) 女も8人 プラス1人はこれ読んでる読者さんの事ねw え、なに? そんな視聴者参加型にしなくていいから、早くすすめろって? わかった。その開校式の場所は1階の体育館だった。生徒数こそは少ないが、まるで中学校の雨の日の朝礼のような感じで、男8人、女8人が縦の2列となり、あらかじめその形に置いていた折りたためるテーブルが付いているパイプ椅子に座っていたんだ。10時になった。すると、インストラクターと呼ばれる男2名と女2名がぞろぞろと現れ、その中のエアロビクスやってます。みたいな、小麦色をした活発そうな40代くらいの女が、、、インストラクター山田「みなさん、こんにちはーーー!!!」参加者「こんにちはー」山田「声が小さい~~~、こんにちはーーー!!!」参加者「こんにちは~~!!!!!」山田「お、、3日間と10日間の時に顔を合わせた顔ぶれもいますねw」参加者「どうもーw」山田「今回は、、厳しいですよ。私も厳しくいきますからね!www」参加者「よろしくお願いしまーす」みたいなノリで始まったんだ。そしてインストラクター山田は、俺たちの前に立っているスタッフを紹介し、この20日コースについての説明を始めた。そして3日間、10日間の時と同様に、携帯電話、電化製品、書籍といったプライベートの持ち物は一切禁止。それを禁止するのに持ち物検査なんてする必要はなかった。(これは3日間の時とやりかたが同じだった)山田「では、経験者の皆さんは前回のコースの時でご存知だと思いますが、、タオル、洗面具、下着類だけもって、、、、他はぜ~~~んぶ預けちゃってくださーいww 没収でーす♪」参加者「はーい」で、俺たちは外部と通信を取る方法を一切、奪われてしまったのだった。山田「では、皆さん所定のユニフォームに着替えて、全員集合!更衣室は男性は1階の東側、女性は西側にあるので、みなさん着替えてきてくださーい」参加者「はーい」そして俺と他の男の参加者でゾロゾロと歩いて更衣室へと向かった。そしてあらかじめインストラクターから渡されていた、合宿セットのナイロン袋の中を開けると、なんだ、前回同様のグリーンのタンクトップに黒のショーパンじゃないか。参加者の中でも「これ、めちゃモッコリしますよねwww」 「かなりハズイんだけどなwww」 「小学校のプールの時思い出しません?w」そんな和気あいあいとした会話がなされていた。そして基本、男は着替えるのがはやい。さっさと着替えてまた同じ席に戻って待っていると、女性陣の到着があまりにも遅いんだ。(後から女性参加者から聞いたところ、「まじでコレきるん??」「ちょっとやばくない・・?」といった声がヒソヒソと上がっていたそうだ。そしてインストラクター山田が、女子更衣室まで女性参加
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当局からの連絡。まじ、おわった。と思った。頭の中に電光石火の如く、ひとつのストーリーがよみがえっていた。あの、N岡さん。きっと合宿が終わった後、警察にレイプされたと被害届を出したのだろう。そして、警察が合宿を主催していた団体に、その時の参加者の名簿などの提出を要求し、俺たちが発覚。もしかしたら、すでに特攻や副島も逮捕されて留置所生活をしており、そして逃げないように「合宿の話を聞かせてほしい」等と今度は俺を呼び出して、そして逮捕状を見せられて現地で逮捕されてしまうんだ。そう、、覚悟していた。俺はそれから、その週末の金曜、またほぼ始発の時間に近い電車にのり、あのスポーツセンターがあった場所へと向かうのであった。予め調べていた〇〇署へと向かい、受付係に「生活安全課の棚橋さんはいらしゃいますか?」するとすぐに受付係は生活安全課に連絡してくれたのだろう。棚橋「どもどもー、わざわざ遠いとこすみませんね」と40半ばくらいの人が笑顔で俺に接近してきたのである。(なんだか様子がおかしいな・・・)そして取調べ室のような場所に案内され、棚橋は俺に様々な書類を見せてきたのである。棚橋「こういった書類に見覚えありませんかね?」俺「ダイエット合宿のやつですよね、、」棚橋「まー、つまるところなんですけどね、今回、参加者の一人からタレ込みがあってですね、、実態をちょと調べてみたんですがー、どうも無許可でやってたっぽいんですよ」俺「そうなんですか、、こっちはいち利用者なんで全く考えもしませんでしたが、、」棚橋「こういった商売する為にはね、いろいろ法律上の手続きがあるんですわ。きいたことあるかもしれませんが、消費者契約法、不正競争防止法、特定商取引法、こういった手続きをしかるべきところにやらないと、ああいう営利活動はできないんですよ。んだが、まー最初はちょっとしたタレコミだったんですよね、、なんか女の子が際どい衣装を着せられて合宿なんてやってるつーもんだから、それで調べてみたんですけどねぇ。」俺「そうなんですか。。。」(よかった・・・・・・www)結局、俺はそれから3時間、その棚橋刑事に、あの合宿での覚えている限りの内容を伝えたのであった。とりあえず俺たちのあの夜の出来事ではなかったんだ。俺は安堵もしたが、、あれはあれで警察に知られたらちょっとマズイなぁ、、なんて思っていたが。そして警察からの任意聴取が終わったのが昼の13時頃。警察から解放されて、またきた道を戻り、テクテクと歩いていたところ、いきなり派手な内装をした軽自動車が俺の隣にとまって停止したのである。杉本「あれ、、軍曹じゃんwww キミも呼ばれてたの?w」俺「おおおおおw こんなところで!杉本さんwwww」どうやら、杉本さんも任意聴取という形で俺と入れ違いで14時から呼ばれていたらしい。14時まで30分はあるということで、俺はその日、棚橋から何を聞かれたのか、どういう理由で呼ばれているのかという事を、車の運転席に座る杉本さんに話しまくった。杉本さんも、もしかしたらあの晩の乱交の事でN岡さんが、、と不安に思ってたらしく、、「まじよかった===><」と安堵を隠せない様子だった。俺「俺、杉本さんが終わるまで待ってますんで、ちょっと話しましょうよ!」杉本「わかった。。そっちは何時間くらいかかった?」俺「3時間っす。」杉本「まてる?」俺「どっか目ぼしいとこはいってゲーム(当時もってたPSP)でもしてたらすぐですw」杉本「わかった。詳しい話は後でしよう。これ、私の連絡先ね、終わったら連絡するからそっちの教えて」俺「はいw」ここ数日、俺も杉本さんもそうだったと思うが、眠れない日々を過ごしていたに違いない。だが、実際は俺たちではなかった。あの団体が無許可営業で荒稼ぎをしていたという部分での任意聴取という事で、いっきにここ数日の不安が解消されたのだった。杉本さんが終わる3時間を待つというのも、いまさらなんだ。って感じだった。兎に角、この解放感を早く、誰でもいいから共有したいという気持ちで、俺は杉本さんを待つことになったのだ。
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前段も長く、1話当たりも長いので投稿することが大変だったかと察しますが、途中で折れることなくよくぞ完結していただきお疲れさまでした。リアルで興奮しました。