ふみ子は、私の職場にヤ○ルトレディとして毎日来ている美しい女性だった。
私は、その頃まだ入社したての新人で右も左も分からず、上司、先輩に叱られ精神的に参っていた。
昼食後のわずかな休憩時間の最中、決まった時間に来て各課を周り、ジョ○やヤ○ルトを販売し、サービスと分かっていたが優しい笑顔を見せるふみ子を見ていると心が癒され、いつしかその来訪を心待にし、恋い焦がれている私がいた。
その頃の私はヤ○ルトレディは既婚者で子供のいる女性限定で雇用していることを知らなかったため、ふみ子に付き合ってる人いるんですか?と聞いたところ、ふみ子は目を丸くして一瞬驚き、その後クスクスと微笑むと結婚していて、子供も三人いることを教えてくれた。
私はガッカリしてしまったが、ダメ元で「せめてメールアドレスだけでも教えてくれませんか?」と聞いてみた。
きっとダメだろうと思っていたところ、「いいよ。」との返事をもらえたので、喜んで携帯電話を出そうとしたところ、「こんなところで携帯出したら他の人にバレちゃうよ、紙に書くからメールしてね。」と優しく微笑みながら言った。
それからは昼な夕なに仕事の話や愚痴など取り止めのないことを様々にメールでやり取りし、お互いの心の距離を少しづつ近づけていった。
そして夏の暑い日、飲みに行きたいねという話になったことから、二人で行こうかと誘ったところ良いよ、との返事がもらえた。
近場では職場の人間に見つかる可能性もあるから隣町の個室型の居酒屋に行くことになった。