俺は某流通メーカー傘下のスポーツクラブで水泳のインストラクターをしている。
今年で3年目だ。 2流の体育大学を卒たものの、この就職難、勉強そっちのけ
の俺を雇ってくれる物好きな会社などなかったぜ。
水泳じゃ、学生時代そこそこの記録をだしたんだけど、そんなものは屁の突っ張り
にもなりませんでした。オマケに顔は、お笑い芸人ザキヤマタイプ。顔がデカく
くどい眉毛ときちゃ、女は皆逃げてったぜ。(笑)
バイトのコネで、辛うじて正社員にしてもらいましたが、20万足らずの給料
じゃ、結婚も夢のまた夢だぜ。
ある日の事、親子水泳教室で、俺はサブの立場で借り出されたんだ。
その親子の中で、妙にそそる奥さんがいた。小学3年生の女の子の母ちゃんで、
小ぶりなにだけど、なかなかいいスタイルで、顔は女お笑い芸人アジアンの
デブの方によく似てるんです。二人全くのかなづちで、見ていても微笑ましい
感じでした。何度かして、俺にも指導する順番が回り、親子そろって、ホント
素直に聞いてくれたっけ。
何日かして、仕事帰り、近所のスーパーへ自炊の買い物へ寄った時の事、
あの奥さんが肉屋でコロッケ揚げてるのが目に入りました。俺の来店に
驚いた奥さんは、恥ずかしそうに、『母子家庭なんで、貧乏暇なしなんですよ。
』と、照れくさそうに笑い、また、俺はその笑顔にゾクッときちゃいました。
思い切って、『今度食事でもしないすか。?』俺は、超ベタな誘いをかけちまい
、恥ずかしさに真っ赤になっちまったんです。 そんな瞬間、やっぱ女は鋭い
のか、? 俺の魂胆を見抜いたように、『そのうちにね。?』と、笑顔で
言われちまったんです。 多分駄目だな。俺は直感した。
その夜はおおいに悔やんで飲んじまったよ。ああ~、言わなきゃよかったと。
そして何日かして、教室にあの親子が。 プールの隅で掃除をしてる俺に
あの奥さんが近づいてきて、『今日、うちの子誕生日なんです。良かったら
一緒にお祝いしてくれませんか。?』と、ムチムチの水着姿で微笑みました。
俺は、嬉しさのあまりプールに飛び込みたい気分でしたが、冷静に、
『俺なんか行って、お邪魔にならないっすか。?』と、あえて虚勢を張ったんです
奥さんは、俺の思いを見越して、『イヤなの?』と、悪戯っぽく笑いました。
1DKのその部屋は、予想以上に狭かった。スーパーの安売りのチラシとか、
カップラーメンの殻とかが散乱してて、生活臭満々の部屋だった。
『家賃二つも溜まってんのよ』 女の働きじゃ所詮こんなもんかよ。? 俺は
何も言えなかった。 給料日前だったけど俺はケーキを買い、女の子が好きそうな
小物をプレゼントする予定だ。 10年前に駆け落ち同然に岐阜から男と上京
した話、その男がこっちで女を作り、3年前に出ていった話など、
聞いていて胸が苦しくなっちまったよ。 酒も入り、女の子も寝ちまって、
しばらく奥さんと直に語らう事が出来た。俺は酒も入り、ふざけて唇を尖らせ
奥さんにキスを求めたんだ。最初オデコをピシャリと叩かれ、『ばか』と言われた
。でも何度かして、奥さんは、こうなる事が分ってて、目をつむり、唇を突き出し
てきました。 おれは夢中で奥さんを押し倒し、激しく唇を吸った。
『ああ、久しぶり感じるわ。』スカートを弄ると、見るからに安物の下着が見えた
ブラもヒモが煤けた年代モノだよ。 パンツの跡くっきりのお腹は妊娠線がやたら
目立ってました。すでにビショビショで、前戯なしですんなり俺を受け入れて
くれた。ナカは暖かかったです。俺は一気に奥さんを貫きました。
終わって、ふと寂しそうに笑う奥さん。『また会ってくれる。』俺は尋ねた。
曖昧に頷く奥さんに、俺は安堵の思いだった。どう見たって生活は苦しい
筈なのに、何でスポーツクラブなんか通うのか、俺には理解出来なかったが、
どう思ったのか俺は、『お宅の子、水着とゴーグル、どう見たって合ってないぜ。
ちゃんとしたの買ってやってくれよ。?』と、2万円を奥さんに見えぬ様
座布団の下に忍ばせたんだ。
そしてあの親子はスポーツクラブに顔を見せなくなりました。女の子と仲のよかっ
た友達に尋ねると、先週初めに引越したそうです。 ほろ苦い思いで胸が張り
裂けそうになりました。でも、今となってはいい思い出です。