うつぶせ施術の仕上げにかかる。
骨盤の一部、仙骨脇にあるポイント。
生理痛や生理不順の治療に使用する秘穴だ。子宮を刺激するこのポイントは
使いようによっては、高価な媚薬も真っ青な催淫効果がある。ここを攻め
る。人差し指の爪先で軽く引っかくように刺激。
「ああぅ」
軽い悲鳴に似た呟きが漏れる。内ももをこすりあうような両足の動き。多分
この時点で、彼女は充分に潤っているはずだ。間違いなく。
「さあ、仰向けになってもらいます」
緩慢な動きで身体の向きを変える彼女の顔は、赤く上気している。こころな
し両方の瞳も潤んでいる。
「気分はいかがです?」
「ええ、はあ、あのー」
答えになってはいない。
「さて、次はおなかを緩めます。腰痛は意外にもおなかのハリが関連してる
んですよ」
間違いではないが、今日の彼女には必要ない。
まず骨盤の出っ張りの内側に指を差し入れる。これは実に効く。“イタ気持
ちいい”という言葉があるが、まさにそれだ。痛みが瞬間で快感に替わり、
子宮にズ―ンと響く感じだ。私には子宮はないので実感ではないが、そうい
うものらしい。
「うっ、ううーん」
一瞬あごを軽くのけぞらせて、また落ち着く。
しばらく刺激を与えた後、最後の仕上げだ。下腹部、丹田と呼ばれる部分に
両手をあてがい軽く押す。これは強すぎると快感が一気に覚醒するので、慎
重に行う。
私の手のひらに彼女のぬくもりが伝わってくる。もう少しだ。
「あのー、先生?」
少し震える声でたずねる。
「私、変なんです。おなかが、おなかの中が熱いんです。それに心臓もドキ
ドキしちゃって」
閉じられたまぶたの両端にうっすらと涙がにじんでいる。
「おっと、初めての施術にしては刺激が強すぎたかな」
「いえ、いいんです。でもー」
「判りました、少-し緩めましょう。大きく深呼吸して」
おでことまぶたに左手を置いて目隠しをして、右手を軽く丹田に乗せた。
「ちょっと失礼、この方がもっと楽かな」
パンツの上の部分からスーっと右手を差し入れて、ショーツの上からじかに
手を置いた。このタイミングと動きは実に難しい。さりげなく事を運ばない
と、たちまち大きな声を出される。でも今回は大丈夫だ。
彼女は深呼吸を繰り返す。手の平には下腹部のぬくもりと、はっきり判る湿
り気、そしてアンダーヘアーの生え際の感触が。
耳元で諭すようにつぶやく。
「人間の身体ってね、まったくの左右対称じゃないんですよ。あなたも身体
の重心が微妙にずれたから、今回の症状になったんです」
「あなたの身体はもうほとんど正常ですよ。でもこの際、せっかくだから微
調整ってしておきます?」
間髪いれず答えが
「できたらお願いします」
「ウーン、でもね、かなりきわどい施術だからなー」
「いえ、かまいません、ぜひお願いします」
「判りました、それじゃね、そのまま深呼吸を続けてください」
右手をショーツ越しにヘアーの感触を感じながらスーッと下方に滑らせる。
はっと一瞬表情をこわばらせ、内ももに力が加えられたがすぐに緩み、お○
んこを包み込むように右手が納まった。もうこの時点でソコははっきりと濡
れていることが確認された。
ここはさりげない態度が重要だ。ふた呼吸おく。
「痛かったら遠慮なく言ってください」
右手を若干上に滑らせ中指を、探り当てたクリトリスの上に置いた。ジワー
ッと押しこむ。腰が2度ばかり浮いた。これで彼女は落ちた。