それと言うのも、友達が大学受験に失敗してしまい、その事を忘れる為に家出をしてしまったのが事の発端です。俺と同じ組の友人は殆んどが就職組で昨秋に内定が決まっている者ばらりで、中には今月半ばから東北やら関西やらの本社勤務だったりするので、すでに会社の近くにアパートを借りた者や社宅に入ってしまった者などが多くいます。話を戻しますが、彼の母親も俺の他に既に彼就職が決まって都会や地方に住まいを借りた友人の所に転がり込んで居ないかTELをしたそうです。それで大阪の大学に行く事なった友人と広島に就職した友人が2日づつ住まわせてあげたと言う事を突き止め、色々と話を聞いたら、今は出て行ってしまって四国で霊場巡りの巡礼をしてるかもしれないと言う事を聞いたのです。それで彼の家と俺の家がわりと近くだって事と、中学生の頃からお互いの家を行き来して知っている事もあって彼の母親から一緒に探しに行って欲しいと頼まれたんです。それに彼の母親が宿泊費や食事代を出してくれるって事だったので、俺も、どおせ4月の入社式まで家で暇潰しをしているよりはマシかと思って一緒に探しに行ったんです。初日は電車で瀬戸大橋を渡り香川県の宇多津町駅で降り、まず足となるレンタカーを駅前のレンタカー屋で借り、そこで一般的な巡礼のコースを一通り尋ねたら、まず1番の霊場からスタートするんですよって事だったので1番の霊所から教えてもらった。でも、1番と云うのは徳島県の霊山寺と言う事だったので、一旦高速に乗り徳島の坂野ICで下りて12号を左に曲がり撫養街道を走って着いたんだけど、よくよく考えてみたら朝早くに家を出てから霊山寺に辿り着くまでに夢中だったので何も食べずに来たのと、何とか1番の札所まで来る事が出来た安堵感からドーッと疲れが出たので、その日は近くの旅館か民宿に泊まろうって事になった。やはり、沢山のお遍路さんが巡礼するだけあって、お寺の周辺には手ごろな値段で泊まれる民宿が何軒もあったけれど、道路脇の大きな看板に大鳥居苑というのがあったのでそこへ泊まる事にして1部屋に2人で泊まったのだが、あまりに疲れ過ぎていたので何事も無く過ぎた。翌日は早めにチェックOUTをして彼が立ち寄ったかどうかを2番札所から聞いて回った・・・・すんなりと11番までは5~10分も走れば着けたけれど11番から12番までは2時間も掛かりお昼を少し過ぎたのでそこで昼食をとった、1時間ほど休憩をした後に、次の13番へ向かったが辿り着くまで1時間くらい掛かった。結局15番札所を全部巡り終わってしまったが彼についての事は何も得られないままだったので16番・・・・18番の恩山寺まで行き、そこで もう少し行くかどうか相談をしたら、今日はここまでにして、また明日探そうって事になったので泊まる所を探した。この日は民宿が直ぐ近くにあったのでそこへ泊まる事にした。民宿の宿帳には一応 母子と記入して1部屋だけかり、部屋に荷物を置いて来たら直ぐに夕食となった。夕食後、彼の事が中々見つからないので今後どうするかを話し合った、そして入浴をすませ床に就いたが、昨日と違って何だか眠れずにいると、友人のお母さんの光子さんも眠れないらしく、彼の小、中、高の頃のエピソードを話してくれたのだが、何を思い出したのか急に泣き出してしまった。俺は泣いている光子さんに覆い被さる感じで、大丈夫だから、きっと直ぐに見つかるから心配しないで下さいって言って、枕元のティッシュを取って涙を拭いてあげた。今までも綺麗で適度に贅肉が付いていて、いかにも熟女らしい光子さんに惹かれていたのに、目の前で、それも俺の腕の中で泣いている光子さんの涙を拭いてあげていたら余りにも愛しく思えて来て、つい光子さんの唇に俺の唇を合わせてしまった。それでも光子さんは嫌がらなかったので、ちょっと調子に
...省略されました。