私が若き頃に経験した苦い想い出です。
それは今から17年程前の夏休みの出来事でした。
私の家は日本海に面した海水浴場の近くにあり、夏になると多くの海水浴客
で賑わいます。
当時、私は高校一年生だったと思いますが、
夏休みを利用し民宿でアルバイトをしていました。
そんなある日、バイト先の民宿に子供連れの夫婦が訪れました。
その夫婦は三十過ぎくらいだったと思うのですが、
奥さんがとても綺麗な人で私は幼心に心ときめくものを感じていました。
部屋まで案内した後に私が民宿の庭先で掃除をしていると、
水着に着替えた奥さんが家族と一緒に海水浴場に向かって行きました。
黄色地に花柄の入ったワンピースの水着で、
目の前を通り過ぎる奥さんの水着姿に思わず見とれてしまいました。
その日も慌ただしく時間が過ぎていき、日も傾きかけたころ奥さん達が帰っ
て来ました。
外に設置してある温水シャワーで体に付いた砂を洗い流すとお風呂場に入っ
て行きました。
暫くして女風呂から着替えを終えた奥さんが出て来ると、
私に近づき話し掛けてきたのです。
「おにいさんは高校生?」私が「はい、そうです」と答えると、
それを切掛けに奥さんと会話が続きました。
会話と言っても奥さんに学校のことなど一方的に聞かれるだけで、
私は殆ど頷くだけでしたが、間近で見る奥さんの笑顔に心が奪われていくよ
うでした。
男風呂から旦那と子供が出てきたのでそこで会話は途切れましたが、
私は奥さんと話せた事が嬉しくてとても気分が爽快でした。
日も沈みかけ夕食の準備に煽られながら、
客部屋に食事を運び終えると辺りはすかり暗くなっていました。
その夜は地元で花火大会があったのですが、
私は食事を終えた客部屋の後片付けと布団敷きに追われていました。
順番に各部屋を回り後片付けをしていると奥さんの部屋の番になりました。
奥さんの顔を見られる嬉しさでワクワクしながら部屋のドアをノックしまし
た。
「失礼しま~す」と声を掛けたのですが、
部屋の中から返事は無く奥さん達は既に花火大会に出掛けたようでした。
少し残念な気もしましたが部屋に入り食器の片付けを始めました。
窓越しに夜空に花咲く「ど~ん」という花火の音が私の心に響きまし
た・・・。
その時です、何気に視線を向けた窓の手すりに水着が干してあったのです。
家族の水着と昼間見た奥さんの黄色い水着が干してあり、
食器を片付けながらにも奥さんの水着が気になってしかたありませんでし
た。
私は何を考えたのか?
窓際に近づくと奥さんの水着を手に取り見入ってしまいました。
水着の感触を感じながら奥さんのことを思い浮かべました。
股間の裏生地を指で触れるとサラサラした感触が心地よくて、
「ここに奥さんのオ○ンコが触れていた」と思うだけで理性を抑えきれなく
なっていました。
顔を近づけ股間の余韻に慕っていると異常な興奮に包まれながら、
心臓がドキドキと音を立て体が震えているのが分かりました。
今まで経験したことの無い興奮を感じながら「ふとっ」気が付くと体中が汗
ダクでした。
その時です!水着を顔から離した瞬間に「はぁっ!」と我に返りました。
部屋の入り口に驚きの表情で奥さんが立っていたのです。
水着を握りしめたまま体が硬直し頭の中が真っ白になりました。
お互い視線を合わせながらも何も言葉が出ませんでした。
奥さんは凄い勢いでドアを閉め部屋から飛び出して行きました。
私は放心状態のまま、この後に何が起きるか?自分はどうなるのか?
とんでもない事をしてしまった現実に恐怖感が込み上げてきました。
私が犯した行為はただで済まされるはずも無く動揺しながら仕事を続けまし
た。
どんよりした空気に包まれ時間が経つのがとても長く感じましたが、
結局その夜は何も起きませんでした。
家路に着いても不安が拭いきれず眠れぬ一夜を過ごしました。
翌朝、恐る恐るバイト先の民宿に向かいましたが、
心配とは裏腹に何時もと変わらぬ雰囲気でした。
朝食を奥さんの部屋に届けるのが嫌でしたが、
部屋に入ると奥さんは何事も無かったように接してくれたのです。
恥ずかしさと気まずさで、奥さんの顔をまともに見ることができませんでし
たが、
奥さんは昨夜のことを誰にも言わず黙っていてくれたのだと思いました。
奥さんの優しさが身に沁み大変悪い事をしたと心の中で反省しました。
その日の昼過ぎ奥さんとその家族が民宿を後にしました。
最後に一言奥さんに謝りたかったのですが、
それも叶わぬまま後悔だけが私の心に残りました。
時が過ぎ忘れかけていた想い出も夏が来ると思い出します。
若き日の苦い経験も今となっては懐かしい想い出に変わりつつありますが、
当時のことを思い返すと、
何故あの時に奥さんが一人で部屋に戻って来たのか?
私の行為を見た奥さんはどう思ったのか?
なぜ黙っていてくれたのか?などと色々考えてしまうのですが、
もしあの時に大騒ぎになっていたら今の自分は無かったかもしれない・・
そんな思いが今も心に残っています。