3年前、19歳の秋が深まっていた。
その年、一年通った大学を退学し、どうしても行きたかった大学を再度受験する為
浪人生活をしていた。
そろそろ最後の追い込みがはじまる頃だったが、昼食の後の裏山の散歩は相変わら
ず続けていた。
裏山はいわゆる里山で、こんもりとした雑木林から流れ出る小川に沿って、水田と
畑が林のかなり奥まであり、その田畑に沿って農道が林の奥の更に上方まで曲がり
くねりながら続いている。
稲刈りは終っていて、この時期農作業の人影は無い筈だった。
俺はのんびりとした足取りで農道の坂道を登り、あるカーブを曲がっていたら突然
目の前に人影が迫っていてビックリし、思わず身構えていた。
「あら!たっちゃんじゃない!ビックリさせないでよ、もう~。心臓が止まっちゃ
うじゃないの」
「いや~~済みません!僕もビックリして・・・」
その人影は、いつも俺の家にやってきて、お袋と長話に興じている近所の農家の小
母さんだった。
季節にしては暑い日なのに、長袖のトレーナーに軍手、ズボンはジーンズ、しかも
半長のゴム靴、おまけに日除けのツバ広の帽子。
いかにも農作業の仕度そのものの姿だった。
「いや~ね~。熊でも出たかと思ったじゃないの!いきなりなんで!」
「いや~どうも。脅かして済みません。でも熊じゃなくって安心したでしょ?」
「まあ!はっはっは」
「小母さん、こんなところで一人で独りで仕事なんですか?」
「そうなのよ!内の旦那、農協の集まりだとか言って、出てちゃったのよ。仕方な
い旦那でしょ?、どうせ昼間っから酒でも飲んでるんでしょうけどね。役立たずの
旦那なんだから・・・」
なおも旦那さんの悪口をしゃべり続ける小母さんを遮って
「でも危ないですよ!こんな時期にこんな所で独りでいちゃ~」
「あら!たっちゃん心配してくれてるの?大丈夫よ!こんな小母ちゃん襲う人なん
か居る訳ないでしょ~?居たら大歓迎かもよ。ハッハ!」
「そんなことないですよ!小母さん美人だし、スタイルも良いから狙ってる男がい
るかも知れないし、ほんとに心配ですよ!」
「ありがと!でも大丈夫!今までも何も無かったしね!それよりたっちゃん喉乾い
てない?小母さん汗いっぱいで喉がカラカラなのよ。お茶があるから飲もうよ!」
そう言われて俺も喉が乾いているきがしてきた。
それに、小母さんと話していると、何となく受験のプレッシャーも遠のく気がし
た。
「そう、じゃ飲ませてもらおうかな。ほんとに今日は暑いですね!」
小母さんは最後まで言い終わらないうちに、傍の畑を横切って農道の反対側にある
雑木林の木陰の中へ入っていき、俺が付いてくるのを確かめるようにして待ってい
た。俺は追いついて林に入ると、そこには緑色の防水シートが敷いてあり、中央に
お茶の入ったボトルと紙袋が置いてあった。
「さあさあさあいらっしゃい!」
小母さんはゴム長を脱いでシートに上がると、奥のほうに横座りなってお茶の準備
を初めた。と言っても紙袋から紙のコップを取りだし、ボトルのお茶を注ぐだけだ
けど。
俺も小母さんにならって、シューズを脱ぎ、小母さんの向かいにあぐらをかいた。
小母さんはたてつづけにお茶を2杯飲み干した。
俺も2杯飲んだ。ボトルに氷を砕いて入れたあったらしく、思いもかけず冷たくて
ほてった身体に沁みるような美味さだった。
「わあ~~うまい!。うまいお茶ですね~~ほんとに」
思わず大きな声が出てしまった。
「まあ!大袈裟な褒め言葉ね~ただのお茶なのに」
小母さんはお茶を飲んで落ち着いたのか、被っていた帽子を取り、紙袋からタオル
を取り出して首筋の汗をぬぐった。
それからは、お袋の話しや、俺の受験の話しになった。
俺は適当に返事しながらも、小母さんと二人だけで、人目に触れない雑木林にいる
ことで、気持ちが高ぶって来るのを押さえることに苦労した。
これまで、小母さんに特別な感情=性の対象としての感情を持ったことは無かっ
た。
お袋とは15歳若いが、俺とは16歳も年上、子供も二人いる。
俺が小学生の低学年の頃、近所へ嫁に来た。
子供心に奇麗なお嫁さんだと思ったことはある。
それは今もそうで、幾分ポッチャリとしているが、二重まぶたの大き目な眼、すっ
きりとした鼻筋、小さめな唇は充分過ぎるほど奇麗だ。
目の前に見える小母さんの豊かな胸は、話しに合わせて身振りをする度に、トレー
ナーを揺らせている。
横座りの脚を覆っているジーンズも、太腿にピッタリと張りつき、豊満な肉付を想
像してしまう。
俺は何時の間にかウットリと小母さんの全身を眺めていたらしい。
「たっちゃん!どうしたのよ!小母さんの話し聞いてるの?何だか怖い顔して黙っ
てるのね!」
俺ははっと我に帰った。
「あっ!済みません!ちょっと・・・」
「ちょっと・・なんなの?なにかあったの?」
俺はたじたじになった。何が何だかわからない一種のパニックだった。
「いえ・・・小母さんが・・・奇麗で、凄く奇麗で・・・それで・・・」
俺は自分でも何をしゃべっているのか解かっていなかった。
次ぎの瞬間小母さんに正面から飛びかかり、後え押し倒してその上に覆い被さって
いた。
続きはまた。