携帯の出会い系サイトで、ターゲットを漁る。
援助の話が多い…援助の話が多いサイトは、逆にサクラとかが少ない、という
事も言える
と思うのだけれど、しかしみんな援助、援助。「ホ別2で」とか、「希望を
メールして」
とか、援助慣れしてる書き込みが目立つ中、ひとつの書き込みに目がとまった。
「割り切りで会える人 秘密厳守で」
短い書き込みで、ただそれだけ書かれていた。金額については何も書かれてお
らず、希望
金額を書いて、と書かれてもないし、なんだか不慣れな感じが見て取れた。書
き込みされ
た時間を見ると、ついさっき。急いで返事を書いてみた…普段は援助なんて全
然しないの
だけれども、もしかしたら0円で釣れる相手かもしれない。
サイト上でいくつかメールをやりとりしたあとに、携帯のメールアドレスを交
換、さらに
細かい話を聞いてみる。「お金に困って、友達に聞いて書き込んだ」という割
には、じゃ
あいくら欲しいんだ、という話にならない。自分が性欲を持て余していて、そ
れで書き込
んだのだけれども、溜まっているとは書けないから、援助を装って書き込んだ
ような感じ
だと推測できた。未だに金額の話はでないまま、具体的な場所と日時が決まった。
とにかく早く会いたい、と急かされて、結局その日の午後から駅で待ち合わせ
になった。
彼女は電車で、こちらは車で。10分ほど遅れて着いた彼女が、「今着いた」
とメール。
どんな女性だろうか?とサイドミラー越しに見ていると、美人ではないが、
ほっそりとし
た、色白の…気の弱そうな、清楚な感じの女性。キャミソールの上に薄い上着
を羽織り、
下は黒のロングスカート。
ちょっとその容姿からは信じられなかったが、その女性がおどおどした様子
で、でもこち
らの指定した場所、こちらの車のほうに近づいてくる。彼女が車の横に来ると
きに、車の
窓を開け、「とりあえず中に入りなよ」と促した。
やはりおどおどしたまま、あたりを見回し、しかし中に入ってもいいものか、
思案しなが
ら、でもそこで立っているのも余計に不審だし、という状況に悩みながら、彼
女は数十秒
経ってからやむを得ず車の中に入ってきた。