〇タクシー車内
寮から少し離れた場所で鈴を降ろしたタクシーは、黒瀬を乗せたまま走り出す。
少し走ったところで
タクシー運転手「お客さん、あの娘(こ)の恋人さん?美男美女でお似合いだね(笑)」
「いやまだそう言う関係じゃ…そうなりたいとは思ってるんですけどね。」
タクシー運転手「あっそうなの?彼女いつまでも見送ってるから、てっきりいい関係かと思って…ほらまだこっち見送ってる。」
運転手がそう言った時に、タクシーは大通りに出るために左折。
走って来た方向に黒瀬が視線を向けると、街灯の下鈴が佇みこちらを見ている。
タクシー運転手「あの分じゃ彼女の方も、憎からず思ってますって。」
「だといいんですけどね(笑)(第三者からそう見えてるならここまでは成功と。)」
タクシーはその後少しの間走り、黒瀬が住んでいるマンション前に。
○黒瀬マンション
黒瀬はマンションの自室に入ると、スーツを脱ぎネクタイを外しながら電話をかける。
数コールの後、相手の声が聞こえてくる。
青山「おぅ、翔ちゃん。今帰りか?守備はどうだった?最後まで行ったにしてはちょっと帰りが早いか。」
「最後どころかキスもまだだが、泰正お前のおかげで守備は上々だと思う。もう一押しだとは思ったんだが、今日は敢えて止めといた(笑)」
青山「そうか…そりゃよかった。翔ちゃんは俺と違って、慎重だよな(笑)」
「慎重っていうか…折角針に食いついたんだ、逃がしても勿体ないからな(笑)」
青山「それはそうか…あんな上玉そんなにはいないし、翠ヶ丘署の特別監査はまだ続くからいくらでも会う機会はあるしな。」
「あぁ、それもあるし俺の連絡先も渡してきたから。」
まだまだ二人の電話は続く
○翠ヶ丘警察署署長室
副署長「署長、つい先程青山警視正から電話がありまして、○日から10人体制で本署の特別監査に入るそうです…」
署長「じゅ…10人だと!徹底的に端から端まで調べる勢いだな…交番とかもか?」
副署長「そこまでは言ってませんでしたが、人数から見て調べるのかと…」
○女子独身寮
女子会から帰宅した同期女性警官、鈴のタクシー帰宅を目撃したこれも同期の、別警察署勤務警察官から、
同期警察官A(別警察署勤務)「ねえねえ、私悠木さんがタクシーで帰って来るとこ見ちゃった。」
同期警察官B(翠ヶ丘署勤務)「えっ、マジ?…相手は?相手の事見た?(黒瀬警視長・青山警視正どっちなのかしら。)」
同期警察官A「残念だけど見てない…降りなかったし…でもタクシーがそこの大通り出に曲がるまで見送ってたよ。」
同期警察官B「そっかぁ…(相手は分からず、本人に問い詰めるしかないか…)」
同期警察官A「えっなになに?悠木さんの相手、交番勤務の巡査田中とかいう巡査じゃないの?」
同期警察官B「さあ、どうでしょう(笑)巡査の給料じゃ、タクシーで送るなんて…あっいけない…これ以上は確認取れてることじゃないし(笑)」
○ ○日朝翠ヶ丘警察署玄関前
署長・副署長が本庁からの特別監査員(含黒瀬警視長・青山警視正)を待っている。
署長「副署長、特別監査員殿はまだかね。(できればこのまま来てほしくないところだが、先日のあの怒りようじゃ無理だよな…)」
副署長「先程これから行くからと連絡がありましたので、もうすぐ着くころかと。」
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