あれよあれよとに脱衣所に押し込まれ、一人になりました。手にはタクシーの中と今、繋いだ手の感触が残っています。
何も望んでいなかったはずなのに、こんなにも相手から触れてきて、しかも二人きりだなんて我慢ができなくなってしまいそうです。もっと、もっと…と心の中で求めてしまいそう…。
濡れた服を脱いでなるべく綺麗に畳むと浴室へ。もちろん下着は真ん中に包んでいます。でも濡れた服はどうしよう、美春がいれば何か服を借りられたかもしれないけれど…。
取り敢えずと言われた通りシャワーを浴びて身体を温め、湯船に浸かります。
(あったかい……ほんとは頭を冷やしたほうがいいんだろうけど…)
友人のいない家で入るお風呂は下心のあるもも香には背徳感がありますが、岳英さんにはそんな気持ちはさらさらなくて、ただ娘のように世話を焼いてくれているだけなのだと思っています。
ちゃぱ、ちゃぱ、と水面に小さく波を立てて遊びながら、自分の揺れる気持ちみたい、なんて考えています。
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