「えっとー…でも…悪いです。用事はない…んですけど…」
想い人に遭遇し、しかも家に誘われるなんて…願ってもない機会ですが、流石のもも香も友人の父に告白しようとか、どうにかしようとは思っていません。しかも美春もいるかもしれないし。
ある意味、学校が別になり会わなくなる友人のお父さんだから、距離感が遠いからこそ…想いを募らせられていたのかもしれません。
想いという名の下心があるから罪悪感があって、遠慮しようとしますが…。
(手、手がっ……)
手を握られてそのままタクシー乗り場へ。運良くなのか運悪くなのか、順番がきてしまってそのまま乗ってしまいました。娘と手を繋いでいるつもりなのか、車内でも握られたままの手に視線をちらちらと向けながら…でも言うこともせず、そのまま乗っています。
「あの…ありがとうございます。美春は今日学校ですか?」
そんなことを話しているとすぐに岳英さんと美春の家に到着します。
【はい、ありがとうございます】
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