要らない告白をしてしまったと自分を責めて、自己嫌悪に陥ったまま朝を迎えた。朝にアプリを開いてみても、通知のエラーでも無く、ただ返信が来ていないだけだった。
週末が近付いてきて、クラスメイトたちもやや皆浮き足立ってきているように見える。今年は受験生で皆勉強に追われてはいるが、それでも休日は楽しみだった。
一方、昨晩の自身の行動に後悔の念を抱える凛花は、その通りではないけれど。
「母さんが凛花が泊まりにくるなら勉強教えてもらえってうるさいんだよな。」
「悠太、数学苦手だもんね。別に教えてあげてもいいけど、ちゃんと勉強してよね。」
今日は彼氏の悠太と昼食をとっていた。
悠太は二人きりという状況に託つけて、エッチをせがんでくることが多い。勉強どころではなくなってしまう。
「えー?でも、この前だって凛花だって喜んでたじゃん。」
「あー……いや、そうだけどさあ」
「何だよそれ、恥ずかしがるなよなあ」
悠太のフリにどきりとしてしまった。何気ない会話、いつもなら難なく躱せるのに急所を突かれたように息が詰まった。
そこへ、スマホの通知が鳴った。
(え、うそ、宗くん……!)
「ごめん、悠太。先生に呼ばれてるの忘れてたから行ってくる。たぶん部活のことだと思うから戻ってこれないと思う。」
彼氏を目の前にメッセージを交わすことは流石に憚られて、そう嘘をつく。食べかけの弁当を手早く片付けて、その場を離れた。
何も知らない悠太は「吹部っていつも忙しそうだよな、いってら」と見送った。
そのまま、昼休みは人気が少ない校舎にまで移動し、トイレの個室に入る。落ち着かない指でスマホを使い、画面をタップした。
(良かった……引かれたんじゃなかったんだ……。)
一通り内容を確認すると、ほっと胸を撫で下ろす。緊張からまだ心音は早いままだった。
『そうなのかな…。
そんなことしたら、もっと変態になっちゃわないか不安だけど…宗くんが言うなら……。』
時間も、場所も選ばず、自分が触りたいところを。
狙っていたわけではないけど、移動教室ばかりのこの校舎は昼休みにはほとんど人がいない。いても教師くらいだろう。終わり間際は生徒たちも訪れるだろうけど。
(ちょっとだけ……ちょっとだけなら……。)
学校でなんて、考えたことはなかった。
エッチな動画にはよく出てくるけど、そんなこと……と思っていたのに、「宗くん」から返信が来た事実と内容に体が熱くなってくる。
白いブラウスの上から、左手で胸を撫でてみる。友人や悠太には絶対に見せられない姿だった。だって、自慰なんてしない、そういう話題は嫌っていると思われているから。
『今、ちょっとだけしてみてもいい…?』
許可を取ることではないのはわかっているけど、いけないことをしようとする自分を許してほしくて、そう送ってしまう。
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