「…。」
少女から少し距離を置き、スマホ画面を見つめる男。
いつもながらこの瞬間の興奮は、形容しがたいものがある。
傍から見ればスマホを見ながらにやついている少し距離を取りたくなるような男の絵面。
とはいっても、その程度の輩は割と普通に存在する。
どころか、そんな他人の一挙手一投足に等、誰も興味はない。
強いて言うなら撮られていた、否、撮らせていた少女くらいのものだろうか。
そして映り込んできたのは、
(白…いいねぇ…。
やっぱりあの手の女の子は白好むのかな…?
最近は濃い目、あるいは暗めの下着も多かった…し、何より邪魔なのは重ね履きってやつだ。
中には体操着を着てる奴までいる。
こっちはリスクを犯してスマホ差し込んでんのに、そんなときは本当に泣きたくなるからな…。)
完全に自分都合の感想が脳内に反復する。
しかし、実際はそうなのだ。
盗撮のリスク、捲れるリスク、ふとした時に見えてしまうリスクを考慮し、穿くのだ。重ね履きを。
であるならば、今日は当たり…大当たりと言える。
鮮明に撮影することに成功し、重ね履きかもしれないというある意味ギャンブル的な要素に打ち勝ち、純白のそれを手に入れたのだから。
(しばらく世話になりそうだな…。
っと、そろそろ降りる駅に着くんじゃないか…、最後に顔も拝んで置こうか…。)
ゆっくりと視線をスマホから少女の背に向ける。
減速した車両が完全に停止し、音を立てて扉を開く。
「え…?」
男は思わず声が出た。
顔を確認するだけのつもりが、その少女と目が合い、会釈…されたのだ。
「知って…たの…?」
鳩が豆鉄砲を食ったよう…、男の顔はまさにそんな状態だった。
呆然と遠くなっていく後姿を見つめながら、再びその鉄の籠は動き出した。
【修正なんてしていませんよ。
途中で切って頂いただけですから。
とても魅力的な描写、楽しませていただいています。】
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