京子が望むなら……まるでこの状況が京子自身が求めていたような言い草…。強いられているのは確かですが、この口づけをするかしないかは京子に委ねられていました。する以外の選択肢はない…それは真実ですが、夫以外の男と自ら接吻をする…その選択肢を取らなければならないことは、京子にとって確かに屈辱で、後ろめたいことでした。
(…美咲さんは……もっとひどいことに耐えてきたんだから……)
夫の大智もきっとわかってくれる……自分にそう言い聞かせます。頬が手を滑り、顎に添えられて…待つように京子を見つめる中村会長は、年を感じさせない若々しさ…そして人を束ねる強さのある人…大智とはまた違う男性でした。
悔しそうに表情を歪める婦人会長…若く綺麗な女に言い負かされて、これまでにない屈辱だったのでしょう、それでも中村会長に控えるよう目配せをされて黙って2人を見つめています。
「ええ…お願いします……中村会長…」
焦らされるように、呼吸が当たるような距離感…倍ほどに年の差があるのに、それを感じさせない細く筋肉質な中村会長の体と節々が目立つ男らしい手…嫌でも夫と比べてしまいます。
気圧されてたまるものか……そう思いながらも、お盆を持って抵抗できないまま、下着とストッキング姿で中村会長の目を真っ直ぐ見つめます。
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