「き、気安く…呼ばないでください……」
中村さんに頬を指で撫でられ…みやこ、と親しげに呼ばれたくない…頬を撫でられ、体を固くしながらそう言います。そう呼んでいいのは夫や家族、親しい友人だけ…中村会長に呼ばれる筋合いはないと言い返してしまいます。でもそれは虚勢……ここを譲ってしまうとこの異質な状況をただただ受け入れるだけの女になってしまうという、京子なりの矜持、そして日常を守りたいという気持ちでした……。
可愛らしくない京子の言葉に、美咲のことを引き合いに出す婦人会長…貴女の態度が仲の良い美咲に影響するのよ、と伝えます。
(ほんとに…卑怯なひとたち……)
心からこの人たちに従う気はない……でも、美咲が不利益を被るなら…これ以上何かを言う勇気は持てませんでした。
「貴女に…従うつもりはありませんから…。中村会長は、私のことを夫以上に蕩けさせてくださる…のですよね?」
あくまでここで従うべきは中村会長…煩く口出ししてくる婦人会長は相手にせず、誰よりも権限を持っているであろう中村さんに取り入ろうと決めました。唯一、京子や美咲が救われるかもしれない道だと…感じています。
整った顔立ち…垢抜けたメイク…働きながらキャリアを積む女としての強さを感じさせる表情で中村さんを見つめます。
『可愛くないわね、美咲さんならもっと……。中村会長、替えが必要なら仰ってくださいね、すぐに用意しますから。』
思いもよらぬ可愛くない反撃にやや感情的になりながら、婦人会長はそう答えます。
【2人きりのときに…屈したいと思ったので、少し強気にしてみました。】
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