近くに停めてあった車に乗り込み、夜の街を抜けて郊外へと向かう道中、窓の外の灯りが次第にまばらになっていくのをぼんやりと眺めていた。
やがてまわりに民家はない、古民家の一軒家に辿り着いた。
「こちらよ。さあ、どうぞ」
愛華さんに促され、車を降りて玄関に入る。
中は広々としていて、和室に案内されると、そこに飾られた幾つもの責め絵が目に飛び込んできた。
縄で吊られた女性が、別の女性の手によってガラス製の浣腸器でゆっくりと浣腸されている姿。
苦悶と恍惚が混じり合った表情が、筆致一つ一つに生々しく描かれている。
他の絵では、女性が天井から吊るされ、太い責め具をオマンコとアナルに同時に押し込まれながら、瞳を潤ませて陶酔している様子……。
さらに奥の棚には、様々な太さや形状の縄、男根の形を模した大小の責め具がずらりと並んでいた。
一般の人なら見ただけで怯えてしまいそうな、異様なまでの大きさの物まで。
愛華さんがテーブルを挟んで向かい合いながら、温かいお茶をそっと差し出してくれた。
「アトリエにお客さんを招くのは滅多に無いんですよ。私のアトリエどうですか?」
私は両手で湯飲みを包み込むように持ち、熱いお茶の香りを少し嗅いでから、恥ずかしさを隠すように小さく微笑んだ。
「……お茶、ありがとうございます。いただきます。」
一口飲んで、ほっと息を吐く。
それから、部屋の中を見回しながら、ゆっくりと言葉を選んだ。
「アトリエ……本当にすごいです。こんなにたくさんの絵が飾ってあって、しかもこんなに生々しくて……私、実際にこういう経験はまだ一度もないんですけど……」
ここで少し言葉を詰まらせ、頰を赤らめながら続ける。
「でも、ずっと興味があって……
こういう絵を見ていると、胸の奥がざわついて、なんだか熱くなってしまって……
痛いはずなのに、こんなに美しく見えるなんて、不思議だなって思います。
縄の食い込み方とか、女性の表情とか……全部が、すごく官能的で、引き込まれてしまいます。」
私は湯飲みをテーブルに置き、愛華さんの目をまっすぐに見つめた。
恥ずかしさで声が少し上ずっていたけれど、素直な気持ちを伝えたかった。
「ここに来れて……本当に嬉しいです。
こんな世界を、近くで感じられるなんて、夢みたいで……」
そう言って、私は小さく頭を下げた。
心の中では、棚に並んだ責め具や、壁の絵に描かれた女性たちの姿が、
自分の身体に重なって想像されてしまい、下腹の奥が甘く疼き始めていた。
でも今はまだ、それを言葉にする勇気はなくて、ただ愛華さんの次の言葉を、期待と緊張で待っていた。
【刺青も大丈夫です】
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