「梨乃」
低く、艶のある声。
いつも聞いている優しい声とは、明らかに違う。
梨乃がびくりと肩を震わせて顔を上げると、そこにいたのはいつもの穏やかな笑顔ではなかった。
目が細められ、唇の端がわずかに上がった、明らかに欲情した大人の男の顔。
「ママに似て、梨乃もセックス好きなのかな?」
「……え?」
俺は梨乃の反応を楽しむように、ゆっくりと腰を抱く手に力を込めた。
指先が薄いTシャツ越しに、柔らかい脇腹の肉を優しく撫でる。
「ママみたいに胸も大きいよね。もう彼氏とセックスしたことある?」
梨乃の心臓が激しく鳴った。
高校で付き合っていた同級生とキスをした程度だ。母の激しい夜の営みを毎晩聞かされていたせいで、性に対する知識だけは妙に豊富だったが、自分の身体で味わったことはない。
「ち、違う……そんな、してない……」
声が上ずる。
満足げに笑い、梨乃の耳元に唇を寄せた。熱い吐息が耳をくすぐる。
「そうか。じゃあ、まだ誰にも触れられてないんだね……この綺麗な身体」
大きな手が、梨乃の腰からゆっくりと背中を這い上がり、肩甲骨のあたりを優しく撫でる。
そのまま、梨乃の身体をソファに押し倒すように体重をかけてきた。
「……!?」
「俺は最初から、梨乃のことが欲しかった」
声が、甘く低く響く。
「母さんが邪魔だったから、身体で落として、梨乃が俺に心を許した頃を見計らって追い出したんだ。全部、梨乃を自分のものにするため」
梨乃の瞳が大きく見開かれた。
信じられない、という表情。
しかし俺は構わず、梨乃の顎を指で持ち上げ、唇を近づける。
「これからは、俺が梨乃の全部を面倒見てやる。学校も、生活も……そしてこのいやらしい身体も」
そう言いながら、唇が梨乃の首筋に落ちた。
熱い舌が、柔らかい肌をゆっくりと舐め上げる。
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