私が、必死だったように真緒も必死だったのだ。
お互いが、お互いを気遣いすぎて、見えてるものまで見えなくなってしまっていた。
ただ、今の二人には、お互いの気持ちなど知る由もない。
お互いがお互いのパートナーに見合う男性に、女性になりたいという願いだけだった。
真緒がおいて行ったペットボトルを飲みながら窓を開けて外に出てみた。
露店風呂は、色々な木々に囲まれて周りからは見えないようになっていたが、上を見上げると、周りの明るさにかき消されながらも星空が見えた。
この間見た、満天の星空とは比べようもなかったが。
しばらくすると、浴衣を着て真緒が上がってきた。
びっくりしてどうしたの?ときくと、お風呂場に置いてあったと言った。
どうやら、このホテルはバスローブではなく浴衣を着るらしい。
真緒と交代して、バスルームに行ってシャワーを思い切り頭からかぶった。
整髪料が必要なほど、短くないし、もともとがあまり好きじゃなかった。
頭を軽く乾かして、浴衣を着て部屋に戻ると、部屋の中は薄暗く、ベッドの上に真緒のシルエットが見えるだけの明るさだった。
『・・・まお?』
声をかけたけど、反応がない。
頭までかぶったタオルケットを押し下げると、真緒の寝息が聞こえる。
疲れてたんだねと、真緒の前髪をかき上げおでこにキスをした。
そういえば、この間のキャンプの時も眠ってる真緒のおでこにキスをしたことを思い出した。
二人の関係がこんな風になってるとは想像もしてなかった。
真緒の身体から、石鹸のような清潔な匂いがした。
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