「服着ろっていうけど、誰のせい?」
熱があっても生意気で可愛げがないのは変わりがない。何ならさらに拍車がかかっているようだった。布団の中からベッドに置かれた下着とパジャマを見て、ありがと、と言った。
博昭が部屋を出てから持ってきてもらった衣服を身に着けてまた布団にくるまった。
「・・ううん、今はいい。」
横になったまま布団から顔を出し、結局博昭が持ってきた果物とハーゲンダッツは要らないという。意地悪でもへそを曲げているわけでもなく、ただ、今は欲しくない気分だっただけだ。
博昭の掌越しに額から伝わる熱と赤くなった顔、潤んだ瞳から、それは明らかだった。何だかんだ可愛らしくない言葉を言っていても、しんどいのはしんどいようだ。
「手、つめたい」
果物を切って手を洗ったり、アイスを手に持っていたからか、博昭の手は天音にとって冷たくて心地良かった。いつもなら絶対にこんなことはしないが、熱に浮かされてか額にある博昭の大きな手を掴むとそのまま滑らせて、やわらかい頬を押し付ける。
関係を持つ前にもこんなに触れ合ったことはないが、純粋に父と娘だったらこんな関係だったのかな、なんてことを考えながら目を閉じる。また眠ってしまいそうだった。
【甘えられるのが嬉しくて甘え過ぎちゃいました。熱に浮かされているということでお許しくださいね。】
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