言い出したら聞いてはもらえないだろうと諦め、素直に椅子に腰掛けた。
先程までの激しい行為からは考えられないような、優しい手の動きに驚いてしまう。それと同時に、ただ身体を洗っているだけなのに、変に手つきを意識してしまう。
「ンッ・・んん・・・」
腰や胸のあたりに触れたときに、声が漏れた。
天音が誰よりも驚く。ちょうど、博昭の手が下腹部に伸びたので大きな声で抵抗した。無かったことにしたかったからだ。
さっきの声は聞こえていたのかわからないが、思ったよりもすんなりと引き下がり博昭は先に浴室を出ていった。
ドライヤーも済ませて部屋に戻る。まさかいるとは思っていなくて、少し驚いてしまった。
「もう、終わったでしょ?私の部屋から出てって」
逆上されるかもしれない、またさっきのように犯されてしまうかもしれない・・と恐怖はあるが、これ以上思った通りにさせてやるものかと敢えて抵抗の意を示した。それが無駄だとしても服従なんてしてやるつもりはない。
しかし博昭は母との自室に戻るつもりはないらしい、キッと睨むが案の定意味はなさそうだった。
諦めて先程まで行為に没入していたベッドに入る。本当はこんな部屋から、家から逃げ出したい、こんなベッドでも寝たくない。処女が無理やり奪われた。
母や彼氏の顔が浮かんだが、どんな顔をすればいいのかわからなくて、打ち消した。何故自分が罪悪感を抱えなきゃいけないんだと、心の中でそう思った。
「私寝るから。変なことしないでよ。」
そう言うと掛け布団を引き上げ、博昭がいる方向とは逆の方を向いた。起きたら夢だった、となることを願って目を閉じた。
しばらくすると、警戒はしていたから寝付けないかと思われていたものの、さすがの疲れからか薬の影響か、寝息が聞こえ始めた。
【明くる日でもこの後でも、博昭さんのお好きなようにしてください】
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