部活の休憩の合間、龍太郎からラインが届いているのに気付く。「今日はいい」とだけ返しておいた。
本当は会いたかったけれど、母が夜勤明けで待っているし今会ったら怒って泣いてしまいそうだったから、というのもある。
それから数日、不幸にも2人はすれ違いの日々を過ごす。ラインでの連絡はいつも通り取っている、寧ろ龍太郎からは真緒への気遣いが溢れた内容ばかりだった。これまでにアパートで、車で、そして布団で伝えられてきた龍太郎の気持ちが嘘ではなく、玲奈に対しても何もないことはわかっていた。
でも、意固地になってしまって素直になれなくて素っ気ない返事ばかりしてしまう。真緒でさえ自身のことを子どもっぽいと感じた。
週末の金曜日、龍太郎はほぼ強制的に飲み会に連行された。教育実習生の有志で行われた飲み会だ。「藤島先生もぜひ〜!〇〇先生も来るんですよ」と他の教師の名前を出されゴリ押しされた。断ろうにもその場にいた教師にも「行ってきたら」と後押しされてそれもできなかった。
とは言え、飲み会でも大したことはなかった。玲奈がいつも通りやや際どい服装をしていたり、全員がアルコールを嗜んだことで学校よりも緩い雰囲気・プライベートにかかわる話も出ていたけれど、龍太郎はいつも通り上手く躱して帰ってきた。
アパートに近付き、鍵を取り出したところで、部屋に灯りが付いていることに気付く。合鍵を渡しているのは真緒だけなので、真緒がこっそりと来ている・・とは、すぐに察しがついただろう。
「・・あ、お帰りなさい。飲み会楽しかった?」
部屋に入ると、既にお風呂には入ったようで・・龍太郎のぶかぶかのTシャツを1枚着て、真緒が既にひかれた布団に座ってテレビを観ていた。
連絡なく部屋に来ることは珍しかったし、何より、ここ数日素っ気なかった真緒の態度からすれば驚かせたかもしれない。
「お酒、飲んだの?」
特に変わった質問ではないが、龍太郎からすると尋問のように感じただろうか?
【おはようございます。颯爽と寝ておりました。
悲しみまで持ってきちゃうと重くなるので、調整します。
今日は1日長いですね。頑張ってくださいね。】
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