比奈とよくある恋愛話に花を咲かせていると、龍太郎と目が合った気がした。自分の事を気にしてくれている?・・流石に、娘の比奈の恋愛事情に興味があっただけだろうか。
「年上の男性が好き」それは本当のことで、昔から同年代のカッコイイといわれる男の子たちより、塾で勉強を教えてくれた大学生や学校の教師に惹かれる子どもだったと思う。父がいないことが影響している、無意識に父性を求めているとネットか何かで語られているのを読んだが、違和感はなく寧ろしっくり来た印象だった。
母に言ったら内心で自分を責めそうだから、母とは当たり障りのない会話しかしていないけれど。
でも、父がいたら、その父を相手にこんな風に「もっと触れたい、そしてもっと触れてほしい」と思うのだろうか。比奈はそんな風には思ってなさそうだなと、隣で気持ちよさそうに温泉に浸かる比奈を見ながらそんなことを考えた。
何をぼーっとしているのか、そう突っ込まれ、「なんでもない」と返す。疑うような視線を向ける比奈のコロコロ変わる表情に笑いながら、「ほら、もう出よ。のぼせちゃう。」と誘った。
キャイキャイと楽しげに話す母たちを置いて、比奈と先にコテージに戻ると、一階のソファーに寝転ぶ龍太郎の姿。本を読んでいたようで開いたままお腹のところに置いてある。平日の仕事の疲れと今日一日の疲れか、転寝をしているようだった。
一人きりだから、真緒の中の龍太郎像より少しお行儀が悪い。でも、知らない一面を見られたみたいで嬉しかった。
「あ、脱衣所にスマホ忘れちゃった!ちょっと取ってくる!」
龍太郎が眠る様子を気にも留めない比奈は、大きな声でそう言ってコテージからまた温泉へ戻っていた。コテージに残されたのは、転寝する龍太郎と真緒の2人。
「・・おじさん、風邪引いちゃいますよ。」
静かに龍太郎に近寄る。起きないで、でも起きて。そんな矛盾した思いを抱える。今は2人きり、真由子も比奈もいない。
龍太郎の脇腹のあたり・・ソファーに片膝をつき、前のめりになる。落ちてくる髪を耳にかけた。
龍太郎の顔に自分の顔を近付ける。およそ娘の友人との距離ではない。
「どうやったら、私のこと・・」
女として見てくれますか?・・その言葉は飲み込んだ。龍太郎の顔を見下ろす。
もし彼が目を覚ましてしまえば、この距離感に非常に驚き戸惑うだろう。龍太郎を困らせたいわけではない、そう思い、無防備に置かれた龍太郎の男らしい手に一度握ってからすぐ離れた。
【こんばんは。どんな展開にしようかな?と思っていたら、隙間時間にレスができませんでした。
22時以降になることも承知しました。
龍太郎さんが起きてたら意識してくれるかな、とか、気付いてなくても龍太郎さんに触れてしまったことで真緒の想いが溢れて加速するだろうな、とか色々考えてみました。
龍太郎さんのお好みに合うと嬉しいのですが。】
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