媚薬の存在は知る由もない。
しかし、遠回しにでもある種計画通りだということを告げられれば否が応でも嫌悪感が滲み出そうなもの。
少し女の表情が曇ったようにも見えた。
計画通り、今この状況が男の手の内、そうだと知れば仕方ないと言える。
ただもうそこに逃げるという選択肢はなくなっていた。
決して強い力で押さえつけているわけではない。
思い通りという状況を知ってもなお、身体は、心はそこに留まっていた。
舌先が何度も女の耳の周りを、穴の中を這いまわる。
くちゃり、くちゃりと卑猥な水音を奏でれば、それはもう性感帯への、淫穴への愛撫に他ならない。
「ん、ちゅえぉ…れぉ…。
声が我慢できなくなっているよ…?由真…。
新木君が起きてしまうぞ…?大丈夫かい…?
起きてしまったら、終わりにして帰るのだろう…?
そうなっても良いのかい…?」
意地悪い言葉での責め。
起きるまでなら、それはつまり、起きることは終わりを意味する。
「彼を起こさないようにするのはどうしたらいいだろうね…?
ゆっくり目を瞑って…、厭らしい喘ぎが止まらない唇を…塞ぐ…しかないね…?」
ただ快楽に流されて、興奮し、快感を求めるのはひと時の迷いとしてはあることだ。
しかし、唇を塞ぐ…キス…、それは明らかな夫への裏切りを示す。
そしてそうなってしまえば、もう…止まらないだろう。
「塞ぐかどうかは、君に任せるよ…由真…。
我慢できるなら…してごらん…?」
尻を鷲掴みにしていた手が、そっとスカートの裾を引っ張り出せば下着越しの尻肉を鷲掴みにする。
そのまま簡単にその身体を持ち上げてしまえば、ソファに腰掛ける男の足に跨るように座りなおさせた。
夫のすぐ横で広がるのは、着衣での対面座位。
由真に知られず、股間を膨らませていた男。
当然、そんな体勢になれば下着越しの割れ目と膨らんだ男の股間が密に触れあい、こすれあってしまうことは言うまでもない。
耳への愛撫、唾液による刺激、少し荒っぽい乳首へのアプローチ。
さらにそこへ、股間同士が触れあってしまえばどうなるのか…。
ほんの数分の出来事がゆっくりと時間を刻むように流れる。
そして由真の脳裏に繰り返される。
-彼を起こさないためには、喘ぐ唇を塞ぐしかないね…?-
と。
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