「えぇ、どうぞ…。
廊下を出てすぐの右の扉です…。」
愛らしいその表情、頬が朱色に染まっていることに気づいているのだろうか。
潤んだ瞳、どこか媚びた雌犬のようにこちらを見つめ始めていることに気づいているのだろうか。
触れられても避けない、払わない。
太腿に置いてしまった手が離れない。
(薬の効果…、本当にそれだけかな…。
強引に言い寄らなかったことが、良い形に転んでくれているのかもしれないな…。)
そっと用を足すために席を立った女の後ろ姿を見つめながら、男の口元は少し緩んでいた。
「そして気づくんだろうね…。
厭らしい涎が溢れてきている事…。
もしかしたら下着に染みを作っているかもしれないな…。
それとも、その厭らしい穴と下着に糸を引くほど…だったりするかも…しれないですね…。」
パタン、と扉が閉まる音が聞こえる。
少し静まり返るリビングには妻の窮地、あるいは変化に気づくこともなくのうのうと寝息を立てる部下の姿。
「楽しみだろう…?新木…。
君の奥さん…、由真がどんな悶え方をするのか、どんな喘ぎを漏らすのか。
どんな雌に堕ちるのか…、そこで見ててくれ…。」
あまり長く席を外すことに躊躇いがあったのか、やや足早気味に戻ってくる様子が見えた。
その様子からも、いろいろな躊躇い、葛藤を感じつつもこの状況に否定的な感情を抱いていないことがわかる。
(あと一押し…。
いや、迫れば折れる…、崩れるだろう…。
でもそれじゃ面白くない…、俺が迫った…んじゃ、それは普通。
その表情の内に秘めている本音、本心を、少しずつ漏らしてもらわないとね…。
その濡れた下着のように…。)
「よほど疲れているようですね…。
あの状況じゃ、簡単には起きなさそうだ…。
気にせず、今夜はゆっくりしていってください。
なぁに、帰れなんて言いませんから…。
のんびりしてください。
帰りたくなるまで…、明日は用事はあるんですか…?」
媚びた雌の表情が、蕩けそうになっていくその瞳を知りながらも即座に答えるなどということもない。
当たり前のように隣に腰を下ろした女の変化を楽しむように、今度はさらりと由真の言葉を受け流し、話題を変える。
しかし、少しだけ違うのは距離感。
腰を下ろした位置、そのすぐ横には男の存在。
申し訳程度に開いていた二人空間を意図的につぶす。
他愛ない雑談。
しかし軽く触れただけの男の大きな手は、優しく由真の腰に回り指の数本は臀部に掛かる。
もっとこっちへ…。
触れているだけの手が、さらに身を寄せることを促すようで。
柔らかい腰回り、臀部に少し男の太く、たくましい指先が沈む。
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