「ゆかりさん。私は斉藤玲奈です」
ゆかりがその場に座り込んで震えているのを、静かに見下ろしながら、ゆっくりと一歩近づきました。
白衣の袖を軽く払い、膝を折って彼女の目線に合わせる。
冷たい会議室の空気の中で、私の声だけが柔らかく響くように、わざと抑揚を優しくした。
「篠原ゆかりさん……はじめまして。
私は斉藤玲奈と申します。あなたの担当調教師です。政府は間違いを認め、あなたの心のメンテナンスのために、特別に担当をつけて調教することにしました。
今日は、あなたの入社健康診断の遺伝子検査結果について、ご説明に参りました」
ゆかりの瞳が、涙で揺れている。
私は小さく頭を下げた。
「まず……本当に申し訳ありませんでした。
出生時のスクリーニングで、あなたのKL-13型家畜遺伝子を見逃してしまったこと。
行政の重大なミスです。
二十年以上も、人間として普通に生活させてしまったこと……心からお詫び申し上げます」
ゆかりの肩がびくりと震えた。
私は彼女の震える手を、そっと自分の手に重ねる。
冷たくて、指先が氷のように固くなっていた。
「でも、もう隠せないんです。
検査結果は、間違いなく陽性です。
あなたは、家畜遺伝子保有者……家畜No.0472として、今日から正式に認定されます。
これからは、人間としての権利はすべて剥奪され、家畜として扱われます」
ゆかりの唇が震えて、言葉にならない声が漏れる。
「うそ……うそ……」
私は優しく、でもはっきりと続ける。
「ゆかりさん……あなた自身、きっと心あたりがあるはずよ。
思い返してみて。
たとえば、寒さのこと。
冬の朝、みんながコートを着込んで震えているのに、あなただけ薄着で平気だったこと、なかった?
肌が直接冷たい風に当たって赤く染まっても、平気で外を歩けていたでしょう?
体毛もほとんどなく、肌がすぐ赤くなって……でも、それでも耐えられた。
それ、家畜遺伝子の寒冷耐性強化の証拠なの」
ゆかりの目が、ゆっくりと見開かれる。
思い当たる、という表情が浮かんだ。
「それから、お食事のこと。
お腹を壊したことがほとんどなかったでしょう?
友達が食あたりで苦しんでいるのに、あなただけ『私、大丈夫』って笑ってたたりしなかったかな?胃腸が異常に強い……それも、KL-13型の特徴なのよ」
彼女の呼吸が、浅く速くなる。
私はさらに優しく、諭すように言葉を続ける。
「そして……胸のこと。
ブラジャーを外すと、軽く触れただけで乳首が疼いて、形がはっきり浮き出てしまうこと。
生理前じゃなくても、時々勝手に張って、乳汁がにじみそうになること……ずっと、恥ずかしくて誰にも言えなかったでしょう?
それが、乳腺過剰発達。
家畜として、搾乳されるために最適化された体なの」
希望わかりましたー
色々と話ながら進めていきたいな…
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