鏡の前で、最後にリップを薄く塗った。
黒のタイトスカートに、白のブラウス。胸元はボタンを一つ開けて、谷間がほんのり覗く程度。
髪は普段通り黒髪ロングをストレートに下ろし、メイクは大人しめ——アイシャドウはブラウン系で控えめに、チークも薄く、唇はナチュラルピンク。
まるで普通のOLが残業後にという雰囲気。
潜入用の地雷系やキャバ嬢風とは正反対の、日常に溶け込む変装。
でも、玲華自身はこれを「変装」ではなく、ただの「私服」として選んだ。
(……最近、妙に体が疼く)
下腹部が、時折ずくんと熱くなる。
首筋の薄い赤い線も、触れると微かに疼く。
任務の疲労だ、と自分に言い聞かせている。
でも、夜になると、理由もなく体が火照る。
男性の視線を感じるだけで、太ももの内側が熱くなる。
そんなとき、玲華はいつもと同じ方法で発散する。
ハプニングバー。
女性無料の店を選ぶのは、警察の給料ではあまり優雅なことはできないから。
別に「セックスしたい」から行くわけではない——少なくとも、表向きは。
いい男がいれば、流れで、という程度。
でも、最近はそれすら、ただの言い訳に感じる瞬間がある。
私はコートを羽織り、夜の街へ出た。
店は渋谷の雑居ビル地下。
看板もない、知る人ぞ知る店。
入口で女性無料のリストバンドを付けられ、玲華は中へ入る。
薄暗い照明、甘い香水とアルコールの匂い。
カウンター席に座り、ジントニックを注文した。
周囲を見回すと、カップルやグループがソファで絡み合っている。
奥の部屋からは、革の音と甘い吐息が漏れてくる。
SMプレイのコーナーだ。
玲華は横目でちらりと見た。
黒革の拘束台に、若い女性が手首を縛られ、男に軽く鞭を当てられている。
パシッ、という乾いた音。
女性の体がびくんと跳ね、甘い声が漏れる。
玲華はグラスを傾け、喉を鳴らした。
(……ふうん。結構、本格的ね)
視線を感じて顔を上げると、30代半ばくらいの男が近づいてきた。
スーツではなくカジュアルな服装、肩幅が広く、目が鋭い。
いい線いってる、と玲華は内心で評価した。
「一人?」
「ええ。ちょっと息抜きに」
私は微笑み、グラスを軽く掲げた。
男は隣に座り、すぐに会話を振ってくる。
仕事の愚痴、日常のストレス。適当に相槌を打ちながら、相手の反応を観察する。
潜入捜査の癖だ。でも、今はただの遊び。
男の手が、玲華の膝にそっと置かれる。
拒否しない。
むしろ、玲華の方から少し脚を寄せた。
「奥の部屋、興味ある?軽くプレイできるよ」
玲華はグラスを空け、立ち上がった。
「いいわ。でも、ほどほどにね」
SMコーナーは、黒いカーテンで仕切られた小部屋。
革の匂いと、微かな喘ぎ声が充満している。
玲華は男に促され、壁際の椅子に腰かけた。
男は玲華の隣に立ち、優しく髪を撫でる。
「痛いのは嫌い?」
「痛いのは……嫌いじゃないかも」
玲華は自分でも驚くほど素直に答えた。
男は笑い、棚から細い革の鞭を取り出す。
軽く空を切る音が響く。
パシッ、と玲華の太ももに当てる。
鋭い痛みが、でもすぐに熱い痺れに変わる。
玲華の体がびくんと反応した。
「……っ」
息が漏れる。
男は玲華の顎を掴み、顔を上げさせる。
「可愛い声。もっと聞かせて」
鞭が、もう一度。
今度はスカートの上から、尻のラインをなぞるように。
玲華の腰が浮き、太ももが震える。
(……何これ……体が、勝手に……)
鞭の痛みが、下腹部に直接響く。子宮の奥が、ずくんと熱くなる。
記憶の空白から、何かがよぎる——鎖の音、革ベルトの軋み、子宮を強く押される感覚。
玲華の瞳が一瞬揺れた。
「どうした?」
「……なんでもない。続けて」
男は満足げに頷き、玲華のブラウスをゆっくり開く。
ブラジャーの上から乳首を指で摘まむ。
玲華の背が弓なりに反る。
「ん……っ」
痛みと快感が混じり、玲華の吐息が甘くなる。
男は玲華の首に手をかけ、軽く締める。
息苦しさが、逆に興奮を煽る。
(……怖い……でも、気持ちいい……)
横目で、他のカップルがプレイしているのが見える。
女性が拘束され、男に軽く叩かれている。
玲華の視線が、そこに吸い寄せられる。
体が熱い。
下着が、じっとりと濡れているのが自分でも分かる。
男が玲華の耳元で囁く。
「この後、ホテル行かない?
もっと……深いこと、しよう」
玲華は、ぼんやりと頷いた。
体が、欲している。
記憶の空白が、疼きを増幅させる。
(……今夜だけ。ストレス発散……それだけ)
玲華は男の手を取り、店を出た。
夜風が、火照った肌を冷ます。でも、下腹部の熱は、消えなかった。
【プライベートでのシーンにしましょう。ノダの絡みは無しでいいですか?
その後は、タカハシの情報からのマゾ奴隷での潜入でお願いします。】
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