「あ…いや…。」
申し訳ない、と自責に駆られるべきは本来男の方。
口淫という、精神的な快感、興奮はともかくとして、
物理的な快感は基本的にない行為を一方的に堪能するだけではなく、背徳感や優越感が先行し果てどころを誤るように、文字通り暴発させてしまう。
10人いれば、9人は…。
いや、100人いれば99人は男に非があるというだろう。
年齢差や関係性などを度外視しても、だ。
しかし、真央は違った。
真央は10人のうちでは、残りの一人。
100人いても、99人側ではなく残った一人、なのかもしれない。
-どうして…、不意に暴発した精液を、それも頭に注がれて謝れる…?-
謝る必要はない…。
むしろ謝るべきは自分だと…。
咄嗟に口が動いた…、はずだった。
しかし、声にならなかった。
唇は確かに動いた、自分の方だ、悪かったのは。
真央は悪くない…と確かに唇は動いた。
しかし、音にならなかった。
唇が動いた通りの言葉を、音にして届けるに至らなかった。
「大丈夫…気にしなくていいよ…?」
気にしなくていい…?
逆だ…。
掛けるならこれは、この言葉を掛けるなら、掛けるのは真央からであるべきだ。
にも拘わらず、あまりにも自然に当たり前のように謝罪の言葉を口にする真央を見ていれば、咄嗟の言葉よりもさらに先行し、そんな言葉が出ていたのだ。
「真央が上手くなった証拠…ってことでいいじゃないか…。
ほら…、もう少し…残ってる…。」
まるで真央に唆されるような感覚。
罪悪感も感じていたはずなのだ、もちろん興奮、快感、優越、背徳…、
あらゆる感覚に押し流されて今に至っているわけだが、罪悪感がゼロになったことはないんだ。
しかし、その罪悪感を真央の言葉が薄めていく感覚。
真央が、男をもっと…駄目な人間に変えていく感覚。
目の前で反り返ったままの肉棒、その先端からは放出しきれなかった白濁液がジワリと溢れ、とろっと鈴口を伝う。
眼前…、舌を伸ばせば届くほどの距離に突き出し、男はそんな言葉を口にしていた。
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