会議室のドアが開いた瞬間、私の心臓が跳ね上がった。
高橋くんが立っていた。
ノックもせず、当然のように入ってきて、すぐに鍵をかける音がした。
「本当に来たんだ……ここは会社だから俺の言う事は聞かなかったんじゃないの?」
――いつもの口調。
店で私を支配するときと同じ、敬語を外した低くて甘い声。
一瞬で、体が熱くなった。
距離を詰めてこられ、髪を掴まれる。
耳元で囁かれる。
「じゃあ、ミーティングでもしようか……高野……さん……」
軽々と抱きかかえられて、会議室のテーブルに座らされた。
スカートが少し捲れ、ストッキング越しに冷たいテーブルの感触が太ももに伝わる。
「高野さん、質問です。
ふふっ……茉由の下着……もう濡れてるだろ?」
有無を言わさぬ声。
あの、逃がさない声。
――図星だった。
来る前から、期待と恐怖で下着はすでにぐしょぐしょになっていた。
歩いてくる廊下の間も、太ももが擦れ合うたびに自分の濡れ具合が気になって、恥ずかしくてたまらなかった。
でも、こんなところで認められるわけがない。
私は顔を上げ、高橋くんを睨みつけた。
「……違う」
声は低く、怒りを込めて。
「そんなわけないでしょう。ここは会社よ。
あなたは新入社員で、私は教育係。
さっきから何を言ってるの? 冗談がすぎるわ」
必死に強がって、テーブルから降りようとする。
でも、髪を掴まれてしまい体は動かせない。
顔が熱い。耳が熱い。
怒ってるはずなのに、声が少し震えているのが自分でもわかる。
「すぐにやめなさい。
……こんなこと、絶対に許さないから」
でも、目が合った瞬間、
彼の楽しげに細められた目に、
私の表情が一瞬で崩れた。
(……濡れてる)
(もう、びしょびしょなんだ……)
図星を突かれた顔をして、
視線を逸らしてしまった。
唇を噛んで、息を詰めて、
それ以上何も言えなくなった。
※元投稿はこちら >>