「…。白…、やっぱりこれは白だったんだ…。」
ぼそりと呟く、思った以上にはっきりと言葉が出てしまったことに自分でも驚き、思わず周囲を見回してしまう。
当然、そんな普通の子が興味を抱きそうもないコーナー付近に人などいない。
そもそも、放課後の図書室にわざわざ足を運ぶ生徒自体、さほど多くはないだろう。
実際、室内は別に広くはない。
書物はそこそこ充実していると言えるが、通路は狭く、死角も多い。
脚立を使わなければ届かない高さにしまわれている書物もあれば、どう考えてもしゃがまないと取れない低い位置にまでぎっしりと詰められている。
ある意味、絶好の場所と言える。
それも、わざわざ人の少ないコーナーで没頭してくれるのだから。
気づけば男の股間は持ち上がり、スラックスの股間部がうっすら膨らみを見せている。
「はぁ…はぁ…。」
まだ行くのか…?
また行くのか…?
すれ違う時も、離れる瞬間も、その後も、胡伯がこちらを気にした様子はない。
本当に気づいていないのか。
それとも、気にする理由がないから何とも思わないだけで、誰か、がいたこと、通ったことには気づいているのか…?
あるいは、盗撮の為のスマホにさえ気づいていて、それでもなお気にしないを続けているのか…。
リスク…。
大きすぎるリスク…。
しかし、それ以上に無防備…、いや、危機感の欠如…、無自覚な魅力の持ち腐れ…。
そんな女を野放しにしておくことに勿体ない、と感じ始めている男。
「行けるか…。」
いっそ、気づかれるまで…、いやそれはまずいな…。
此方を気に掛けるそぶりが見えるまで…。
そんな邪で卑劣、後戻りする子のないところまで思考回路がバグっていくのを感じる。
気づけばまた再び背後。
今にもしゃがみこみ、直接覗き込んでしまいそうになる衝動を抑えながら、
ゆっくりとスマホを差し込む。
完全に盗撮。
もう偶然、たまたまという言い訳は通用しない。
10秒…。
15秒…。
何かしらのアクションが胡伯に見られるまでは…。
一種のチキンレースのような感覚が、より男を昂らせる。
食い込んで見えた股間、捩れた下着の生々しさ。
気づけばスマホを差し込んだまま、その状況と期待感で高揚し、スラックス越しに股間を揉むように扱いてしまっていた。
【特別な事情…、それはおそらく考慮に値しないと思いますね。
ただただ都合よく利用する理由にしかならない、そう思います。
此方にとって都合よく開き直ってくれるのなら、それこそ本当に何とも感じないのか確認しようじゃないか…、なんて言い出しそうですね。
人の良いむっつり親友とは違い、関係性も薄い。
自認が男、というのなら、本当に女の部分は何にも反応しないのか…何とも思わないのか…とね。
そうなれば宝物でしょうね…。
ただ、中途半端が一番よくないと思っています。
何せ、何とも思っていない、んですから…。普通の女の子なら恥ずかしくて言えない。
隠さなきゃいけない事実…だったとしても、胡伯さんにとっては取るに足らない事…なら、当たり前のように公言する可能性がある。
怖いのはそこですからね…、付け入るならとことん。
少なくとも言えない理由ができあがるまで、足を突っ込まないといけない。】
※元投稿はこちら >>