「渡会…?」
図書室の様子が見える廊下を歩いていると、渡会胡伯の姿が見えた。
数日前に耳にした噂。
渡会は自認が男。
だからこそ多少下着が見える程度の事は気にしていない。
故に、重ね履きなどをする理由もないのだ、と。
その話を聞いて以来、授業中、廊下などですれ違うことがあった際は無意識に目で追ってしまっている自分がいた。
自認が男…、とはいえ、体型は完全に年頃の女。
それ以上に女らしい柔らかそうな体つきが制服の上からでも見て取れる。
そんな女が、見られても気にしない、などという感覚を持っているというのなら…これを堪能する以外ない。
気づけば男は図書室に足を運んでいた。
放課後のこの時間に渡会がなぜ図書室にいるのかは知らない。
しかし、変に昼休みとかでないのはありがたい。
後々の事を考えなくても良く、気にせず渡会に集中できるからだ。
此方に気づいているか、否か…。
気づいていたとしても声を掛けられるような関係性はない。
無論、こちらから声を掛けることもない。
すっと椅子に腰かけて手にしている書籍に視線を走らせている渡会の脇を通り抜け、改めて正面からちらっとその様子に目を向ける。
やはりこちらを意識している様子はない。
気づけば眺めている時間が長くなっていく。
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