「右がキッチン…奥へ進むとトイレと浴室…」
義兄に家の中を案内されながら、ひとつひとつ頭に入れるように呟きました。
慣れるまでには少し時間はかかるだろうとは思いましたが、もう久美子にはおの家以外帰る場所はありません…義兄にお世話になると決めてからマンションは処分したからです。
でも少しでも目が見えていたとしたら、その造りに目を見開き驚愕したでしょうが、義兄の目論み通り何の不審も抱くことはありませんでした。
ひと通り見てまわり再びリビングに戻った久美子ですが、やはり長距離の移動がこたえたようで、安心もあってか疲れが急に襲ってきました。
そんな久美子の様子に気づいてくれたのか、義兄は一休みするようにと久美子のために用意してくれた2階の部屋への連れて行ってくれました。
どうやら義兄と久美子の部屋は隣同士のやうで、何かがあった時の用心のためだとせつさされ、久美子も納得しましたが、浴室やトイレと同じように久美子と義兄の部屋を隔てる壁は透明だったのです…
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