(くっ…。ふぅ…。
思い切った…とは思ったけど、大丈夫か…?
緩衝材多めに入れておいてよかった…。)
我ながら大胆というか、無謀な行為に思える。
偶然にも、知人に紹介していた性処理用のアンドロイドの注文をその妻から受けることになったことで、自らを自ら梱包し、知人宅に届ける手順を取っていたのだから。
一歩間違えれば自殺行為。
それは物理的にも社会的にも言えること。
配送中に雑に扱われれば怪我の恐れもある、万が一先輩の妻である栞にバレれば、どうなるか…。
といっても、後者はおそらく栞自身も夫に隠したいことであるはず。
そう思えば、配送さえ切り抜けられれば何とか…。
「…ふぅ…。」
何とか現着したらしい。
聞き覚えのある声が外から聞こえてくる。
中に運ばれていく感覚にも少し慣れた頃、梱包が解かれ久方ぶりに外気に触れる気がする。
解放される感覚に思わず身体を伸ばしたくなるのをぐっとこらえ、津々と視線を感じる。
着用しているのは黒のボクサーパンツ一枚。
肌寒さ以上に突き刺さるのは栞の視線と、その独り言。
そしてしばらくすると、説明書を読み始めているのがわかる。
ようやく目を開けられるのか。
(乳首を押す…なんて書いたのは、ちょっとおかしかったか…?
と言っても、他にスイッチらしいものも…な…。
と言う事は…。)
起動の手順を確認する栞の言葉。
そろそろアンドロイドとして起動を装う時間になる。
目を瞑った状態での不意打ちの乳首への刺激に一瞬ぴくっと震えるが、それ以上の反応を堪えると、アンドロイドらしく?パチンと瞳を開くと、飛び込んでくる部屋の灯りに思わず眉を顰めるがすぐさま開きなおして、ゆっくりと体を起こす。
その際に
「マスター登録、完了しました。」
あまりわざとらしい機械口調もそのうちぼろが出る、と考え、最初からそこそこ流ちょうに話すアンドロイドなのだ、と思わせる様あまり意識せず話しながら。
締まった身体は部活の名残。
元々運動は嫌いではなく、それ以降も定期的に身体を動かし、鍛えていた。
筋肉の形がうっすらと見えるような、腕、太腿、そして割れた腹筋。
栞の夫とは少しタイプの違う、男を感じさせる体型もまた、栞に設定として選ばせた理由になっていたのかもしれない。
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