「寮はそんな風になってるんだ…僕と優愛の部屋含め最上階フロアが特Aクラス、その下のフロアが特Aのための食堂・リラクゼーション施設等で、その下が一般生徒ねぇ…
えっエレベーターも上の二フロアに行くのは直通になってるの?」
「ということで慶次様、中澤明日香さんに限らず、女性を部屋に連れ込むことは、かなり困難かと(笑)」と潤。
「何言ってるんだよ潤。さっきも言っただろ、前田財閥の遺伝子もそんな軽々しいものではないって」
図星を突かれたのか、しどろもどろになって答える慶次。
優愛・慶次・綾子・潤の雑談を苦々しく思いながら聞いて、
(雑談は日本語だし、スペイン語はやっぱり私に対する嫌がらせか…どうしてやろうかしら)
自分が玩具の対象にされてしまったことなど考えもよらない後藤なつみは、そう考えていた。
(でもそもそも職員の寮の建物と生徒の寮の建物は違うし、前田慶次を私の色香で虜にさせるのには……どうしたらいいかしら、最初は寮でって思ってたけど、生徒の寮はセキュリティが厳しそうだし。)
【優愛様、慶次様。今、後藤なつみの深層心理(考えてること)を探ってみたのですが、とんでもないことを考えておりました。】
と、読唇術で優愛・慶次・綾子に伝える潤。
【まぁ、なんてはしたないこと。でも先程優愛様が仰っていたように、慶次様と後藤先生を二人きりにさせるのは苦労なくできそうですね(笑)、一日だけ寮のセキュリティ緩くして、その日に後藤先生が、慶次様に声をかけるよう仕向ければ…】
【綾子、ではその日の朝に前もって、慶次様の部屋の玄関にカメラを仕掛けるのはどうかな?生徒に色仕掛けをかける先生。かなりスキャンダルだと思わないか?】
【でも玄関だけとはいえ、慶次様の部屋にカメラを仕掛けるなんて…だめですよね、慶次様。】
【優愛同様、僕も何も知らないよ。でも玄関に防犯カメラ位あってもおかしいことじゃないと思うけど(笑)それと潤、深層心理探るその君の能力だけど、僕と優愛には絶対に使わないでくれよ。】
【もちろんでございます。安心してください優愛様・慶次様。私のこの能力はお二人に近づく者の、本当の狙いを探るものですゆえ。】
ホームルームも終わり、一時限目は、副担任である後藤なつみの英語の授業であった。
授業も終盤に差し掛かったころに、慶次が前の席の綾子・潤にフランス語で話しかける。
「アヤコ、ジュン。イル ニ ア リヤン ダミュザン ア フェール?ル クール デュ プロフェスール ゴトー ネヴェイユ メーム パ ラ キュリオジテ アンテレクチュエル、セ ザンニュイユー。」
(綾子、潤。何か面白いことないかな?後藤先生の授業は知的好奇心も湧かないし、つまらん。)
「ケルク ショーズ ダミュザン?」
(面白いことですか?)
慶次に話しかけられた潤は少し考えてから、前の席の生徒(影)に
「エ トワ、ヴァズィ、ポーズ ユヌ ケスティヨン アン アングレ オ プロフ ゴトー、ナンポルト クワ」
(おいお前、後藤先生に何でもいいから英語で質問してみろ。)
と命じる。
教壇の上でその言葉を耳にした後藤なつみ
(今度は、この流れるような話し方はフランス語?あの子たち一体何か国語話すのかしら?採用面接で学園長先生が「うちは、一応文武両道で売ってますから」とか謙遜気味に言ってたけど、この特Aクラスに関して、武の方はまだ分からないけど、文(外国語)はかなりな物ね。誰か一人でも唾つけられれば今後の生活も安泰ってもの…)
その後藤なつみの思考は
「プロフェサー ゴトウ、ウッジュー マインド テリング アス ワット タイプ オブ パースン ユー ファインド アトラクティヴ?」
(後藤先生、好みの異性のタイプ教えてください。)
との一人の生徒の質問によって中断を余儀なくされる。
教室内は、その質問を耳にした他の生徒からの含み笑いに包まれどよめきが起きる。
「ワット タイプ オブ パースン ユー ファインド アトラクティヴ?ザット クエスチョン マイト ビ ア ビット プリマチュア フォー ユー」
(好みの異性のタイプ?その質問貴方には早いかもね。)
「(これでいいのよね?でもちょっとまってよ。高校でこのレベル。どれだけなの?このクラスって…)」
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