「こんなところか…。
しかし、あの男も卑劣な奴だ…。
古い友人の頼み、とか言っていたが…その娘を金で売ったようなもんだからな…。」
ある男の紹介で、一人の女を面接することになった。
といっても、通常の面接をする気など毛頭ない。
聞けば箱入り、世間のせの字もわかっていないような娘だという話。
22歳と言えば、大学生なら就職活動に精を出す時期。
しかし、進学していなければ話は別。
バイト経験もないという話だ、ともすれば高校を卒業しても大した社会経験も踏んでいないことになる。
父親の残してくれた金のおかげで、良くも悪くも上がってしまった生活水準も簡単には下げられないと言ったところか…。
「いいさ…。
面接…、してやろう…。
まぁ、その前に健康診断は、必須だろう…?」
齢四十を過ぎた男は、にやりと笑みを浮かべ用意した飲料水の底面に注射針で睡眠薬を注入。
申し訳程度にテープを張って封をする。
大胆とはいえ、少なくとも面接中にまさかペットボトルの底面を確認するような愚かな奴はいない。
気付いたとしても後の祭り、というわけだ。
そうこうしているうちに予定の時間となり、事務員からの内線。
「通してくれ、応接室でいい。
後は私が受け持つ、茶の準備は要らん。
こちらから指示があるまで誰も近づけるんじゃないぞ…。」
そう言って、受話器を下ろすと
「さぁ、楽しませてもらおうか…。
何からだ…、スリーサイズでも測るか…?
それとも、陰毛の濃さの検分か…?
混濁中の感度の確認…というのも悪くないな…。
少なくとも、面接に赴く時に着用する下着のチェックはマストか…。」
カモがネギを背負ってやってくるのを待ちながらそんなことを呟いていると、ドアのノック音が聞こえる。
「入りなさい。」
お嬢様の絶望の時間が幕を開けようとしていた。
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