声は震え、原田恵は無言で涙を滲ませる。原田大樹は鎖を軽く引き足の指から引きはがす。
原田大樹「部屋にいるだけではつまらないから、それでは散歩にでも行こうか」
立ち上がると、鎖を強く引き二人を四つん這いで並んだまま歩かせる。
ひとみの黒のレース下着と、恵の亀甲縛りの縄が薄暗い部屋の光に映える。大樹は二人の鎖を握り、満足げな笑みを浮かべる。
原田大樹「さあ、廊下を散歩だ。君たちの服従を、もっと見せつけるんだ。」
扉が開き、ホテルの廊下の冷たい空気がひとみの肌を刺す。恵の縄に縛られた身体もまた、寒さに震える。大樹は鎖を手にゆっくり歩き出し、母娘を従える。鎖の擦れるカチャカチャという音が静かな廊下に響き、ひとみの心臓は羞恥と恐怖で高鳴る。すれ違うホテルのスタッフが嫌悪のまなざしを向けながらクスクスと笑う。このホテルでは当たり前のように行われている行為のため、スタッフも別に物珍しさを感じていない。むしろゴミでも見るような目でひとみを見ている
北川ひとみ「お母さん…私、こんなこと…」
言葉は途切れ、声はか細い。恵は娘の声に顔を上げられず、ただ唇を噛み締める。彼女の心は、娘をこの沼に引きずり込んだ罪悪感と、大樹への従順な快感と自分の大事な大樹が娘に奪われるのではないかという嫌悪感で引き裂かれる。
原田大樹「胸を張れ、ひとみ。モデルなら、どんな視線も受け入れる覚悟が必要だ。恵、君もだ。」
知らない人に見られる行為。それはまさに渇望してやまなかったモデルが避けては通れない行為。その人から見られるという行為に、ひとみは次第に熱くたぎってくるものを感じ始める。熱く、卑猥なにおいのする液が、ひとみの知らない間にゆっくりと太ももを伝い始めていた。
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