「……っ!?…じゃ、じゃあ、またね…」
優一の前で腰を抱き寄せられ、彼の目が見られず、目を逸らしてしまう。
気まずくて出た仕草だが、見ようによっては照れた仕草にも見え、優一の興奮をかき立てる。
優一と別れ、ホテルに向かう道は前回と同じであり、凛花の足取りも以前より軽い。
(いつまで腰に手を回してるのよ…。)
ホテルに入り、エレベーターに入ってもなお腰を抱かれていて。
無言のまま離れようとするが、ぐっと力強く引き寄せられて逃げられない。
芯を揺さぶられるような力強さに、あの日の激しさを思い出してしまう。
最上階のスイートルームに入室すると、開口一番に凛花に問いかけてくる翔太。
「え…、その…、ええ…っと」
(わ、私が決めるの…?こういう時普通はどうなのかわからないし…。さらっと呼び捨てだし…)
前回は翔太があれこれ決め、従う方式だった。ある意味翔太と優一の行為みたいなものだったが、決定権を委ねられてしまうと、凛花も参加している感が強くなってしまう。
「私も朝出かける前にシャワーを浴びたし…、別にいいかも…?でも、ここに来るまでには歩いたし、に、臭ったりするかもだから…」
そう答えたところ、ガバッと強く抱きしめられる。びっくりして離れようとしたけれど、一回りも大柄な身体に抱きしめられると抵抗ができない。
「な…っ、急に何よ…っ。そうやっていつも、女の子を騙してるんでしょ…っ!」
恥ずかしげに声を出すが、少し上擦っていて満更でもなさそう。現に軽くもがいた後は身を委ねている。
しかし、そのままで携帯を触る翔太の顔は見えていない…。
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