「よろしくお願いします…」
挨拶はそこそこに、優一と翔太はこの後について軽く再確認しており、凛花は興味なさげに黙って立っていた。
(大体1時間くらい我慢してれば終わるし…、軽い運動だと割り切って…)
優一とのセックスは大体が1時間もしないくらいで終わる。
優一が射精するまで腰を振り、それに合わせて凛花もイったフリをする。
いわゆる性的快感を覚えたことはないが、夫婦間の愛を確かめ合う作業だし、シラーッとした顔をしていても優一を傷つけるだけであるため、毎回イったふりをして見せていた。
「あ、はい…。じゃあ、行きましょう。優一、また後でね。」
ぼーっとしていると声をかけられ、ハッと顔を上げて優一と別れる。
少し我慢したら終わることだし、不快ではあるが、ここまで来てしまった以上深刻には考えないようにしていた。
あっさり優一と別れたが、これが今後の人生を狂わせることになるとは思ってもいなかった。
「あー…、あの、夫がすみませんでした。お時間もわざわざ取っていただいて…。それにホテル代も松本さんが持つって…」
ここ最近は優一に対してツンケンしていたものの、相手にまでそういう態度をとるわけにもいかない。
なんとなく気まずくて、声をかけてみたものの、すぐに目的地のラブホテルについた。
(…?えっと、受付は…?チェックインとかってないの…?)
そこは無人チェックインのラブホテルであり、パネル操作のホテル。
主導権を握られないために率先して動こうとしたものの、勝手がわからず、キョロキョロしてしまった。
付き合った経験も優一としかなく、ラブホテルに入ったことすらない。
普通のホテルとの違いに戸惑っていると、翔太が慣れた手つきでチェックインを済ませてしまった。
【ありがとうございます。
確かに、その流れいいですね。凛花からも「別に大したことなかった」みたいなことを聞いていたけれど…】
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