いいよ?だってまみが教えてほしいって思ってるんだもん…
(まるで抱かれた子猫のよう。頬や髪、耳を撫でられてくすぐったそうに顔をよじります。さすがに名前をすぐに呼べるほどまみは慣れていません。それでもこうして、ぎゅってされても平気…そうなれたことが嬉しく、まみはしばらく何も言わずに心地よさに浸ります)
〈拓也さん…かぁ…いきなり呼ぶのはちょっと恥ずかしい。でもそのうちね…
まみ、この人のこと…好きなのかな?
…ううん、ちがうよね?危ないとこ助けてもらったから…?
いつもお話しきいてくれるから?
…まぁいいや。ひとまず今あったかいから…〉
…え?あ、そ、そうだよね?いつまでもこうしてると…怪しまれちゃうか…ごめんね?でも、ありがとう…
またらこうやって…会ってくれる?
…た、拓也さん…やだっ!はずかしい!
(顔を両手でおおって座り込むまみ。どうしても見え隠れする無防備の危うさ。対面の拓也さんに見せてしまったスカートの中。学校だったからか、真っ白な下着と太ももを晒してしまいます。)
あ、もうこんな時間!お母さん仕事から帰ってきちゃう!お洗濯入れてお掃除して…
…べつに偉くないよぉ…お母さんとまみで決めた事だもん、遅くなってできてなくても怒らないけど、だからこそちゃんとしておきたいの。
それじゃ、またね?た…おじさん…ラインするから!
(名前を呼びかけて恥ずかしげに呼び直し、元気に手をあげてまみは走って帰ります。ふわ…ふわ…跳ねる度に踊るスカート。流れる髪。さっきまで胸の中で…
一気に至近距離に近づいた距離。それはまみもよるお風呂の中で実感します)
…はぁ…きもちいい…
〈それにしても…不思議とドキドキとかしなかったな…たくやさんの胸の中…そうじゃなくて…心地よくて、あの中におさまるのが当たり前みたいな感覚…今日も危ないとこ助けてくれたから?
…わかんない…今度まみからギュッてしてみようかな…〉
(湯船に鼻先まで浸かり、ブクブクとしています。ぷはあ…と頭を出してハッとします)
…「まみ」?あれ、たくやさんのまえで…自分の事まみって…言ってた?…うん…言った…「あたし」って言った覚え…まったく…ない…
うそっ!やだ!やだやだやだ!恥ずかしいっ!
「まみ?うるさいよ!」
…ごめんなさぁい…
…言っちゃった…「まみ」って…いっちゃっ…たぁ…
(小声で何度も反芻するかのように無意識の会話をしていた事実を噛み締めます。近くなることを望んでいる訳ではないけれども意識せずとも近くなる距離。まみは足を湯船から高くあげてつぶやきます)
…たくやさん、どんなにおい…好きかなぁ…
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