『学校帰りに会わないかい?』
(少しずつ、本当に少しずつ…まみを射止めその中に熱い飛沫を注ぐために詰めていく距離。悟らせないようごく自然に…最近少しずつまみがおじさんに笑うようになってきたある日、突然のラインが…)
…え?誰これ…まさかこの番号…おじさん?
(ゴロゴロと寝転びながら何をするわけでなくゆったりとしていたまみは、突然の提案に飛び起きます。)
うそ…うそ…おじさんから…あのおじさんがそんな事聞いてくるなんて…制服で…会うの?
(『考え中』のスタンプを貼り付けます。制服で…?思い出すのは元パパとの情事。今思えばいきなり快楽の沼に首まで漬からせてただただ正常な思考を奪っていっていたのではなかろうか?常にトロトロにされて有無も言わさず…)
ううん…ちがうよね?おじさんは…
(話をちゃんと聞いてくれて返事もしてくれる。自分を大人に扱ってくれて対等にものをみてくれる。
『OK!』とスタンプすると『よろしくお願いします』と返ってきてふふっ…とわらうまみ。
そして当日、放課後。)
おじさーん!こっちだよー!
(ぴょんぴょん!と手をあげて振りながら、下校途中の最寄りの駅で初めて制服で会います。初めての日は後ろ1m以上開けて警戒していた距離が、手を伸ばせば触れられるところにまで縮まっていました。
その接近はまみの表情にも現れます。良く笑い、怒り、悲しみ、泣く…懐疑の面しか被っていなかった頃とは大違いです。そして最大の変化がこの日起こります)
それでね?今日学校で…
ね?でしょ?そう思うでしょ!
『まみ』もね?ダメだよって…言ってあげたの。そしたらねぇ!
(昨日まではあたしだった一人称。それがいま、ごく自然に、自分のことを「まみ」と呼んでいたのです。並んで歩く距離もおじさんのすぐ後ろに。決して前に出ないのは母親の教育か…
おとろいて振り返るおじさんに、キョトン…として?)
…どうしたの?おじさん…
まみに…なにかついてる?それとも…何か言ってた?
(またもです。当の本人すら気づいていない自然な会話。変なおじさん…とまみは首を傾げるのでした)
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