「あっ、お義父さん。おはようございます。
ええ、直輝さんは先ほど…10分くらい前に出かけましたよ。」
珍しくキッチンではなくリビングから声をかける義父に、少し違和感を感じつつも受け答えします。
「直輝さん、仕事上の準備は十分にできていたようですけれど、社長としては初めての海外でしょう?
向こうの文化的背景とか、いろいろ確認しておくべきことが多かったみたいですね。
それに、加藤さんは直輝さんの側でサポートしてくださるんですから、一緒に行動するのが普通じゃないですか?」
食器洗いを中断して手を拭くと、義父の食事を運びながらリビングに現れます。
夫を見送るときはごく普通のポロシャツと膝下丈のスカート姿でしたが、いつの間にかノースリーブのブラウスの胸元をギリギリまでボタンを外し、スカートも短く少しかがむと生地の少なめなパンツが覗けるほどの、セクシーというよりもいかがわしい服装でした。
でもそれが義父の好みであることも理解してそういう格好を選んでいます。
「いやだ!義父さんったら、そんな格好で来ないでくださいよ。
朝立ちを隠そうともしないで、妙な臭いまでさせて。
朝から何を考えてたんですか?」
言葉は糾弾しているようですが語感は柔らかく、むしろクスッと表情を崩すくらいの余裕を見せて食事をテーブルに置き、隣に座りました。
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