「…。」
『気にしてもらってばかりですいません。
ただ、俺の力なんかなくても、陽菜ちゃんは十分実力がある。
一人でも受かっちゃいますよ…、でも役目はしっかりと…になわないといけないと思っていますから。』
謙遜などではない。
こちらが何を教えずとも、陽菜の学力は志望校合格に必要なそれを遥かに凌いでいる。
教師なら言うだろう、もっと上を目指しても良い、と。
しかし、それを決めるのは自分ではないことを男は理解している。
そして何より余計な情報を入れて、今、が失われることの方がよっぽど具合が悪い。
悪く言うつもりはないが、男にとっては陽菜がどこの高校に行くのかはさして重要なことではないのだ。
「…。」
もうすぐいつもの時間か…。
幸か不幸か、この時間になると疼いて仕方がない。
勝手に反り返ってしまう肉棒を治めることもできない。
極力刺激が強くならないように、緩めのジャージを着ることぐらいか。
そうこうしていれば…。
モニター越しに見える陽菜の姿。
学校帰りにそのまま、だろうかいつものように制服姿だ。
それだけ見ればまだまだ幼く見える。
鍵を開けて出迎えれば、より一層生々しくその幼さを目の当たりにするのも、いつものことだ。
「いらっしゃい、いつも頑張るね…?
さぁ、入って…。
オレンジジュースで良いかい?」
と、陽菜を招き入れればリビングに通し、自分はキッチンへ。
グラスに氷を数個落とし、いつもの通り100パーセントのオレンジジュースを注いで持ってくる。
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