(しっかし、姫はいつも大胆だなぁ…。
ほとんど見えている…、というか、見えてるじゃん…。)
手元のスマホで贔屓にしているサイトに目を通す男。
他のサイト利用者を含め、自分たちの目の保養を定期的に提供してくれる女性を姫と崇め、より卑猥で非現実的な投稿を促す為、日夜盛り立てる文句を考え囁き続けていた。
(それにしても…、ちょこちょこ見たことあるような風景とかあるんだよな…。
もしかして…同郷だったり…すんのかな…。
ちょっと試してみるか…。)
『せっかくだし、たまには公園で遊びませんか?
シーソーとか、滑り台、ブランコなんかあったらいいですねぇ…。』
(この辺だと公園もそんなにないし、遊具が充実してるってなったらあそこしかないしな…。)
と、変に他のユーザーでも特定できてしまいそうな限定的な場所は避け、自分だけが特定できそうな要素を散りばめていく。
とはいえ、希望の場所は他のユーザーも幾通りも提案されており、申し出が通るかどうかは別。
だが、考えることは皆同じなのか、各都道府県の有名どころになりそうな場所の指定も多く、逆の立場なら選ばないだろうな…なんて場所もかなりあった。
(にしても、姫にしてもきっと見せるの好きなんだろうな…。
でも、自撮りだからアングルも限られるだろうし…、俺だったらもっと色々撮ってあげられるのに…。)
取り巻き特有の自意識。
自分ならもっと引き立てられる、際立たせられると思っていそうな思考回路。
「まぁ、その過程で美味しい思いができたら…なんて思ってるだけだけど…。」
と、零れる本音。
スマホのデータフォルダには保存した姫、と呼ぶ女の画像で埋め尽くされているほど。
何度それをネタに欲求を貪ったことか。
何気なく上げた投稿への返事に、あまり期待はしないままに次の投稿写真を待ちながら。
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